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2008年9月27日 (土)

NPO徳島保全生物学研究会 新町川・助任川シンポジウム

NPO法人 徳島保全生物学研究会によるシンポジウム「新町川・助任川シンポジウム―みんなでつくろう,川のにぎわい」を開催.NPOメンバーの八木先生(徳島大学名誉教授),高麗先生(徳島大学教授),木下先生(もと小学校校長/徳島水草研究会会長)による企画.

新町川・助任川をテーマとしたシンポジウムは,昨年9月29日に続き2回目.昨年は,新町川・助任川(すけとうがわ)の環境の現状や環境改善に取り組むNPOの紹介が中心だった.今年は,具体的な活動に結びつけていくことが意図された.

個性的な方々による話題提供.

1)郡賢治(遊山箱倶楽部 事務局長) 新町川とまちおこし

遊山箱.いろんな装飾がほどこされた弁当箱.それにお弁当とかお酒をいれて,みなで集まって風景を愛でながら食す.かつての風流.以前,徳島大での僕の同僚だった三宅さんがしかけ人となって,徳島の多様な遊山箱や,それを作る伝統があることが最近になって見直されてきた.今は郡さんがその活動のまとめ役を果たしている.まずは1年間で1000個にまで遊山箱を増やすことからはじめて,その目標は達成.今は,キットを使って自分たちで遊山箱を組立てるという活動に発展させている.子どもから大人まで,いろんな人がMy 遊山箱を作る.

郡さんは新町商店街で商売を営む.今までイベント屋に丸投げだったイベントを,自らで企画し,商店街の人たちや周辺で活動を続ける「NPO新町川をよくする」等とのも連携して,自らで実現する方向に転換してきている.郡さんが使った「町衆」という言葉が印象的だった.新町という街に,新しい広場を作ろうとしている.

後で話する中で,郡さんとは僕と1歳違いで,小中高も同じだったということが発覚.. ローカルシンポジウムならではの楽しさ.

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2)森本康滋(NPO法人 徳島保全生物学研究会 評議員) 助任川・新町川に緑を―水辺とのコミュニケーション

森本先生は,助任川の近くで生まれ育ち高校の教員をしながら徳島の自然保護活動を牽引してこられた方.僕たちNPOの評議員として発表してくれたけれど,徳島県自然保護協会会長,日本生物教育学会徳島支部長といった肩書も持つ.自らの体験をふまえ,そしていろいろな資料・写真を交えて新町川と助任川の変化を語ってくれた.そのリアリティは圧巻.まるで,生き字引き.

コミュニケーションを「想いの交換」と表現してたのが印象に残った.

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3)稲飯幸代(徳島大学大学院先端技術教育部 D2) アカテガニを利用した城山の環境学習―内町小学校の環境学習から

稲飯さんは僕の研究室の社会人ドクター.昨日の練習では2度のダメだし.夜9時の2回目のダメだし以降,朝5時までかかってスライドを作りなおしたという.その熱意と根性には頭が下がる.

子どもたちがアカテガニを探し,その住み場所の特徴に気づき,住み場所としての森の機能を理解していくために,稲飯さんが用意した「しかけ」と,それに導かれた子供の活動との相互関係をわかりやすく説明した.発表の声は緊張でうわずっていて,聞いていた僕の胃もギューっと収縮してしまった.

昨日と比べて格段に向上していて,高麗先生からはいい発表だったとおほめの言葉をいただいた.会場に来てくれていた内町小学校の校区内のまちづくり協議会の方や,城山城址を愛する会の方々が,次は自分たちもやってみようと思ってくれたらいいのだけれど..

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4)田代優秋(徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 特任助教) 新町川・助任川の水中探検―魚の目線でみたらどう見える?

田代さんは主に用水路の魚の生息地修復に関する研究を続けている若手研究者.農家の目線で保全を考えようとしている.僕の研究室の運営も手伝ってくれている.

今日は魚の目線で,川をとらえるという試み.このシンポジウムのために徳島市内の何ヵ所かの川にでかけ,CCDカメラを使って水中撮影.川の汚れを視覚的にとらえ,また,川の中でのカニやフジツボの営みを垣間見えるリアリティを伴う表現,面白かった.田代さんのプレゼンテーションのセンスは見習うところが多い.

四国放送から共同取材の申し入れがあったとのこと.具体的な活動に結びつけていくという,今回のシンポジウムの目標達成につながりそう.

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5)水上雅晴(貝の資料館&漁師さんの水族館・もらすこむぎ 館長) 水族館でまちづくり

水上さんは,県南の牟岐で漁師さんと協働して「採る漁業」から「見せる漁業」への展開を図ろうとしている.漁に出ていない漁船を使ってダイバーをダイビングポイントまで運ぶという仕事を仲介したり,漁で網にかかるのだけど雑魚として捨てられていた魚を水族館で展示してしまおうとしたり(“漁師さんの水族館”の由来).地域内に眠っているものを掘り起こして,「地域資源化」してしまうところが,すごい.

水上さんとは,「みなみから届ける環づくり会議」でも一緒に仕事している.一緒に仕事をして,元気をもらえる方の一人だ.

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今日の僕の役割はNPO理事長として開会挨拶と,総合討論の進行.

総合討論では,会場に来ていた年配の方から新町川や助任川の思い出が続出.世代によって見えてた風景の違いが浮き彫りになって楽しかった.高度成長期前のきれいな助任川を見て遊んでこと,僕が子供の頃にみた助任川は汚くて,水質浄化のための取り組みの真っ最中だったこと,そして水質改善が進んで魚がかえってきた助任川を見ている若い世代.これから何を共有し,何を伝えていくべきか..

 

シンポジウムが終わってから,みんなそれぞれに何か考えてくれていたら今日は成功と思っていたら,打ち上げの飲み会をしている場で,郡さんから今度は新町川の川辺でシンポジウムをしようとの提案.いろんなアイディアをさかなに,楽しい酒をのんだ.ビルの壁をスクリーンにしよう,会場の設営費は会場周辺のビールや飲み物の販売で,田代さんの水中実況中継,四国放送との共同作品の放映,最後に花火を... 

新町川・助任川の生態系修復とまちづくり.夢が広がるシンポジウムとなった.皆さん,ほんとご苦労様でした.

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