二日目,研究発表会と公開シンポジウム,そして懇親会。
僕たちの研究室からは4人が発表。田代さん(特任助教)は,カワバタモロコを絶滅から守るために農家と活動してきたプロセスを分析。この学会での発表内容としては新鮮で挑戦的。この4月から就職して夜だけ学生をやっている武知(M2)は,疲れたからだをふるいたたせながら発表資料をつくった。竹村(M2)は,森本先生(京都大)からの依頼で取り組んだインド半島のマングローブの立地解析について。現地もみてきてはいるのだけれど,こうした仕事は“現場感との遊離”に関するコメントが寄せられる。源(M1)は,ポスター賞を狙ってがんばったのだけど,残念ながら今年は受賞ならず。。 それでも,いろいろな意見交換ができて,満足していたみたい。宮本(M1)にとっては,初めての学会。緊張しつつも,いい経験をしたよう。研究室から離れた所では,鈴木さん(立命館大学)が,「南から届ける環づくり会議」で実施したアンケート調査の結果を発表してくれた。
田代優秋.希少種保全を目標とした地域環境再生のプロセス分析―絶滅危惧種カワバタモロコを例に.
武知宏弥・森一生・鎌田磨人.GPSを用いたニホンジカのハビタット利用解析.
竹村紫苑・鎌田磨人・森本幸裕.インド半島におけるマングローブ生育地の形成に関わる流域特性.
源典子・鎌田磨人.ジンリョウユリ開花個体の分布とランドスケープの構造.
鈴木重雄・正本英紀・井坂利章・古川順啓・東彰一・大田直友・鎌田磨人.たけのこ生産農家と周辺住民の竹林認識の違い―徳島県阿南市におけるアンケート調査.
総会をはさんで,午後は公開シンポジウム「自然再生から考える生物多様性と地域の課題」。紙谷先生と村上先生(新潟大)の進行のもと,森本先生(京都大),鎌田,箕口先生(新潟大)の講演と,中村先生(北海道大)のコメント,そしてパネルディスカッション。
森本幸裕.覆水をどう盆に返すか―階層的な自然再生のグランドデザイン-.
要旨: この百年に失われた生物多様性を百年かけて再生すると宣言した第 3次生物多様性国家戦略の閣議決定にも関わらず,生物多様性の劣化は止まらない。だが百年に一度という未曾有の経済危機は社会構造を持続可能な自然共生型へ転換するチャンスでもある。そのためには,生態系サービス評価に基づき臨界自然資本を識別して目標とすべきグランドデザインを共有し,現場の技術開発から景観レベル,国土計画まで階層的な取組みが望まれる。
鎌田磨人.協働に基づく自然林再生と順応的管理-「徳島県高丸山千年の森」における取り組み.
要旨: 徳島県上勝町高丸山周辺の伐採跡地では,「かみかつ里山倶楽部」を核として,地域住民,ボランティアグループ,研究機関,大学,徳島県等の協働によって自然林再生が行われている。今回,再生目標の設定手法や,実施段階における目標とのズレを検出するためのモニタリング調査,ずれを修正していくための意思決定のあり方などを紹介し,順応的管理に向けた協働のあり方について検討したい。
箕口秀夫.トキは朱鷺-佐渡発の自然再生をめざして.
要旨: 昨年9月25日,27年ぶりに佐渡の空に 10羽のトキが舞い,トキの野生復帰が新たな一歩を踏み出した。放鳥されたトキの行動は私たちに多くの貴重な知見をもたらした。なかでも,11月に雌 1羽が本州で確認され,その後も 3羽の雌が相次いで本州に渡ったことは,トキの野生復帰がめざすものについて新たな議論を巻き起こした。そこで,放鳥されたトキの行動をめぐり垣間見えてきた,自然再生に取り組む上での課題について考える。
一般の方や学生さんたちがたくさんきてくれていて,パネルディスカッションでは,「景観生態学とはどういう学問なのか」という問いかけから,個々の自然再生現場での取り組みの工夫についてまで,多様で熱心な討論があった。僕の発表に対しては,新潟で森づくりを進められている方から,参考にしたいと質問をしてくれた。新潟大で教育・研究をしてこられたとのことで,自然再生の現場に教育が取り込まれていることにとても共感してくれた。徳島出身という2年生の学生さんも,面白かったと話しかけてくれた。好感をもって受け入れてくれた方が多かったみたいで,ほっとした。上勝まで訪ねてきてれたら,嬉しいのだけれど。
懇親会。発表のときには語りつくせない話,そして裏話。ポスター賞の授賞式。受賞者は懇親会が招待となる。
二次会。蕎麦屋での開催。しぶい選択。「へぎそば」というのが新潟の名物なのだそうだ。店のおばちゃんに勧められるままに注文。うまい!
呑めない橋本さん(名城大)も誘い,日置さん(鳥取大)や小串さん(グリーンフロント研究所)とともにURBIO2010について打ち合わせ。橋本さんには,本当に苦労をおかけしているけど,とてもやる気をみせてくれていて心強い。来年の大会を引き受けてくれた日置さんとは,大会のあり方にもついて少し意見交換。来年は,温泉で合宿形式でやろうとの案も。実現したら楽しいだろうなぁ。
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