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2010年9月19日 (日)

地域環境学ネットワーク設立シンポジウム

研究開発プログラム「地域主導型科学者コミュニティの創生」の社会実装として,佐藤さんと清水さんを中心に準備が進められてきた「地域環境学ネットワーク」の設立シンポ.9月18日~19日,大阪学院大学にて.100人を超える参加があった.

新妻さん(東北大)の,薪ストーブの設置に始まる活動と研究・概念の展開.自給エネルギー,流通エネルギー,戦略エネルギーという3つのエネルギーの概念.社会の変革・新たな物質文明をめざした先端技術と,地域のなりわりとしての市民技術.レシピ通りにつくる工学的方法と,素材を活かして使う人を想ってつくる“結い”による方法.群れの知恵.「技術を根付かせる」という発想と,「根付いた技術を創る」という発想.悶々と考えてきたことに,枠組みを与えてくれた感じ.素晴らしかった.

神田さん(NPO法人黒潮実感センター).柏島の海に惹かれて,学位取得後に一人で飛び込んだ,と言う.「最初はほんとにかすみを食って生きて」というゼロからの活動.「帰ろうとすると,自転車のかごに魚をいっぱい入れといてくれた」という話.まっすぐに前を見てやってると,地域の人から信頼を得て,それは大きな活動につながっていく.今も職員二人でやっているというけど,その活動の広がりはすごい.漁師とダイバーの連携による,海の中の森づくり.海の幸を使った郷土料理づくり体験.必ず訪ねてみたいと思わせてくれた場所と人.

総会の時間を利用して「科学者と地域のステークホルダーとの協働のガイドライン」について議論.こういのを科学者が作ると,理屈っぽくてまわりくどくなってしまう.

  鎌田 「比嘉さん,これを持ち帰って地域で使ってくれます?」

  比嘉さん(恩納村漁協) 「使わう訳ないねぇ.もっとわかりやすくないと.」 「何をやって欲しいのか,はっきり言ってよ」

  鎌田 「ふむ..」

比嘉さんは,しっかりとデータをとりながら,理論的にオニヒトデ駆除計画を立てている.その地道な作業とデータ量に僕たちはうなる.そのデータや論理は行政や研究者に対して使うことはあっても,現場での意思決定にそのデータを見せて説明することはないのだとか.地域外の“論理の人”に使う論理と,地域内の意思決定の場で使う直感.これで外と内を見事につないでいる.

二日間,とても濃い,楽しい時間だった.触発されて帰った方も多いと思う.いつも汗(冷や汗?)を流してくれている清水さん,ご苦労様.そして,素晴らしい会場を提供してくださった三輪さん(大阪学院大),ありがとうございました.

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===プログラム===

■ 9月18日(土)

13:00~13:10 開会あいさつ
 小林傳司(独立行政法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター「科学技術と人間」研究開発領域 総括補佐/大阪大学教授)
13:10~13:50 基調講演
 佐藤哲(長野大学):「地域の持続可能な発展に役立つ科学を求めて-地域環境学ネットワー クがめざすもの」

14:00~18:00 シンポジウム第1部
「地域に役立つ知識とは?-さまざまな研究のありかた」
(コーディネーター:家中茂・鳥取大学)

14:00~14:05 家中茂(鳥取大学):シンポジウムの概要
14:05~14:40 新妻弘明(東北大学):「地域の固有性に即した問題解決のための科学‐EIMYの研究を通して」
14:40~15:15 比嘉義視(恩納村漁協):「生業の中での研究 - 漁業者の生活のための知識技術と海洋環境の保全」
15:15~15:50 井田宏之(社団法人エゾシカ協会):「マイナス資源をプラス資源へ – エゾシカの有効利用を通じた地域課題の解決」
15:50~16:25 野崎進(株式会社四季工房):「企業活動を通じた技術開発と地域社会 – 地域工務店の森づくり・地域づくり」
16:25~17:00 松田裕之(横浜国立大学):「訪問型研究者と地域 – 受け入れられ活用される私になるために」

17:10~18:00 パネルディスカッション
 コメンテーター:秋道智彌(総合地球環境学研究所)

18:30~20:30 交流会

■ 9月19日(日)
9:00~10:00 地域環境学ネットワーク総会

10:00~12:00 ポスターセッション

13:00~17:00 シンポジウム第2部
「地域で活躍するネットワーク-意見や価値観の違いを超えた協働」
(コーディネーター:清水万由子・長野大学)

13:00~13:05 清水万由子(長野大学):シンポジウムの概要
13:05~13:40 鎌田磨人(徳島大学):「かみかつ里山倶楽部にかかわる懲りない人々」
13:40~14:15 丹羽健司(矢作川森の健康診断実行委員会):「調べることが人々をつなぐ– 森の健康診断」
14:15~14:50 上村真仁(白保魚湧く海保全協議会事務局長):「地域の活動を支えるカタリスト – 裏方としてのレジデント型研究者」
14:50~15:25 神田優(NPO法人黒潮実感センター):「住み着くということ – 里海に対する誇りと愛着」
15:25~16:00 鹿熊信一郎(沖縄県八重山農林水産振興センター):「行政マン研究者と地域 – 使える知識技術の知恵袋」

16:10~16:50 パネルディスカッション
  コメンテーター:中村浩二(金沢大学)

16:50~17:00 閉会挨拶 佐藤哲(長野大学)

◆ 地域環境学ネットワーク 設立シンポジウム.明日,あさって,大阪学院大学にて.参加登録は100人を超えたとのこと.どういう交流が始まるのか,楽しみ.http://www2.nagano.ac.jp/sato/symposium2010/index.html  1,284,735,152,000.00 webから

◆ 地域環境学ネットワーク設立シンポ.とても内容の濃いものだった.咀嚼する時間もなく成田まできたけど,高知の黒潮実践センターの活動はすごい.単身,柏島にのりこみ,ここまで作り上げてきた神田さんに脱帽.最初はほんとに霞を食べて生きてたのだとか.
1,285,034,900,000.00 webから

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