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2011年12月

2011年12月26日 (月)

アドバイザー会議

夏原さんを代表として進めてきた環境省による助成プロジェクト「水田地帯の生物多様性再生に向けた自然資本・社会資本の評価と再生シナリオの提案」に係るアドバイザー会議。今年が最終年で、とりまとめについてのアドバイスをいただく。

13時30分〜17時30分、京都大学京都オフィス(品川)にて。雪による新幹線の遅れで、プロジェクトメンバーが揃わないまま、30分遅れのスタート。

僕の役割は、水田の生物多様性を保全・再生するうえで適した地域を、ポテンシャルハビタットマップを描いて抽出すること。課題タイトルは、「土地利用・社会変化および生物多様性ポテンシャルに基づく水田地域の類型化手法の構築」 。

僕の発表に対しての鳥越先生からのコメント。「1年目はヤンチャな発表、2年目は面白くないと評した。今年は論理を固めてきて、あなたにそんな側面もあったんだと思った」。僕としては、鳥越先生の目線を意識してまとめてきてたのだけど、どう受け取るべきか迷った。。 でも、ヤンチャと評された時が1番嬉しかったな。

アドバイザーの皆さんから指摘されたとおり、まだプロジェクト全体としてのまとまりに欠けている。これからの残された時間の中で、夏原さんがどんなふうに舵取りしてくれるのかな。個性的な人ばっかりなので、結構たいへんそう。

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アドバイザー会議のあと、娘と会って食事。楽しい時間。

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◆ だんまりの2週間,ecoregion区分共同研究(4日間),環づくり会議運営会議と竹林WG,学位論文検討,環境省植生図修正打合せ,M1中間発表会,忘年会(2回),生物多様性地域戦略検討小委員会,タウンミーティングまとめ缶詰作業(2日間),アドバイザリーボード会議.隙間で原稿作成. 11/12/27 17:32

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2011年12月14日 (水)

マレーシア家庭料理

12日から15日、京都大学のChen Siew Fongさんが来徳。僕たちの研究室で、彼女が進めているエコリージョン区分に関する学位研究の仕事をサポート。Chenさんが作ってきた骨格に、僕たちが持っているアイディアとスキルをのっけて、地質と地形をもとにしたエコリージョン区分の妥当性を検証する。

その間、Chenさんが我が家で作ってくれたマレーシアの家庭料理。Chenさんの家で、お母さんが作ってくれていた味とのこと。僕たちが知っていたマレーシア料理ではなく、とても日本的なあっさりした味の鶏肉スープ。大根と人参と牛肉炒めもの。研究室の竹村と、僕の母親ともどもいただきました。美味しかった。

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2011年12月11日 (日)

「科学技術と人間」第7回領域全体会議

「科学技術と人間」第7回領域全体会議、10日〜11日、クロスウェーブ幕張にて。

(1)  各プロジェクトの成果と終了後の展開について
(2)  事後評価について
(3)  領域としての成果について

<プログラム>
10日
 1.終了したプロジェクトからの発表   
    城山PJ/ 吉澤剛
    那須PJ/ 那須清吾

 2.評価について
  (1)今後のスケジュールについて
  (2)気をつける点について
  (3)評価を終了したプロジェクトから感想

 3.領域としての成果とりまとめ/ 小林傳司

11日
 1.プロジェクトの成果、終了後の活動・事業継続の見通し等
  平川PJ
  柳下PJ
  柳PJ

 2.各プロジェクトへのコメント

 3.全体討論

すでに終了したプロジェクトが、その後、いかに展開しているのか、また、展開していくためにどのような方法があるのかについて意見交換。那須PJは、利用 されていない森林の木材をペレット化して、ハウス栽培農業の燃料に使っていく社会のしくみを作ろうとするもの。参考になった。那須さんをはじめとして、高 知工科大が、行政、林家、農家の間にはいってマネジメントしていこうとするという決意を感じる。それくらいの覚悟がないと進められない感じの仕事。参考に なった。

柳さんのプロジェクト「海域環境再生(里海創生)社会システムの構築」も、大きな広がりを見せてきていて、楽しみ。柳さんの、トツトツと科学的な態度を保とうとする話し方は楽しい。

後は、全体討議も含めあまり面白くなかったかな。。

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◆ 羽田から幕張に向かうバス。高速がむっちゃ混んでて遅れるからごめんね、とのアナウンス。バスの中でWiFiに繋がるのは便利。今日の午後から明日まで、JSTによるプロジェクトの領域全体会議。 11/12/10  11:29

◆ 11月29日終日:修論生(M1:3人、M2:3人)、12月1日夕:研究室博論生、6日終日:卒論生(7人)、8日夕:岡山理科大博論生、そ して11日夕:東京情報大博論生。この2週間、卒論、修論、博論の追い込み週間。学外の博論審査手伝いもあって大変だけど、皆、仕上がりが楽しみ。  11/12/10 12:12

◆ 東京、快晴。品川からも、羽田からも富士山をながめられる。でも、東京に来たら出てくるこの鼻炎は、なんとかならないものか…   人ごみは苦手。 p.twipple.jp/5FS2U   11/12/12  9:34

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2011年12月 9日 (金)

希少種保護検討委員会

希少種保護検討委員会、13時〜16時、県庁万代南会議室にて。

本来は、レッドリストの改訂に係る種の選定作業や希少種保護条例に基づく指定希少種の選定を進めている委員会。今日は、生物多様性とくしま戦略にインプットすべき内容を出してもらうため、進行を大田さん(阿南高専/生物多様性地域戦略検討委員会 小委員会 専門部会長/希少種保護検討委員会副委員長)に進行をお願いしてワークショップを実施。

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以下、本日のメモ。

1.啓発・教育と情報発信(含むマスコミ)による世論の形成
 教育対象:ほぼ全ての階層(小中高校生,教員,行政,一般市民)

①無知と無関心から来る悲劇
 〇全体的に適切な・正確な知識が普及していない
  ⇒何が,「適切」か?
   そもそも統一された「自然観」,合意された目標はあるのか?
   『生物多様性は(徳島みたいな)田舎そのもの』鳥のいない森に人は来ない
   地域として,どんな自然を求めるのか,合意・確認が必要ではないか?
   見えざる手により一方的に与えるのか?(規制的手法)
 〇「生物多様性」では,一般人はピンと来ない,見える化の重要性
  学校教育における自然教育が全然ダメ-教員教育の必要性
  分かりやすさは重要
  バーチャルを逆手にとった啓発手法の開発
・日本人の現実『子供の頃,動物園・水族館にはほぼ全員が行く.小学生の頃,自由研究はある程度する,博物館にも来る.中高から自然に興味を失い,バーチャルの中へ.成人すると資本主義に振り回され,興味はない』
・基本的に「生身の自然」は,3K(臭い,汚い,危険).だからこそ,征服してきた.世界的にも1960年までは,自然を征服することが善,そんなに急に人は変われるのか?
 〇「資本主義」に生物多様性保全をどう入れ込んでいくのか
  「生物多様性保護」で如何に利益を生み出すか?
  無関心層をどう振り向かせるか
  95%の大人は自然に振り向かないが,お金には振り向く「大義はなくても金が入れば振り返る」
  経済と対立しないWin-winの構築
 〇善意?の過ちへの対策 
  清流=ホタル=自然?
  ホタルの養殖・放流,外来種,養殖・クローン放逐(遺伝子撹乱),EM団子投棄

②知ろうとしない・知らないふりする行政の悲劇
 公共工事は相変わらず脅威
  市町村レベル-そもそも環境配慮しない
  県レベル-知っていても,法的規制がない,計画変更は不可能と押し通す
 「市は無知で壊し,県は知りながら壊す」「まだ県は相談があるが,市町村は無い」
 地方公務員の募集枠に「自然環境」部門がないのが致命的,かたや「土木」は高卒でもなれる

2.自然エネルギー(風力発電)や防災の大義にどう対応するか?

3.人工物への再認識
 「自然の摂理」は幻想,自然倫理観の確認
 人工物と生物の共存を考えるべき
 コウモリの営巣地(人工洞窟),大潟のシオマネキ(人工干潟)

4.とくしま生物多様性センター(仮)の必要性,もしくは,どこがこの役割を担うのか?

 ①啓発・教育・研究の核として「自然への入り口」が必要
   徳島にどれだけ生物がいるのか?それさえもすぐ分からない
 ②情報・相談のワンストップサービス-「自然環境で困ったら多様性センターへ」
 ③とくしま生物多様性センター(仮)の機能
   〇希少種情報と公共工事
     希少種情報の一元管理,情報公開
     公共工事情報の一元管理,情報公開
     ホットスポット情報の一元管理,情報公開
     環境配慮へのアドバイス
   〇環境教育の核,アドバイス
   〇『普通種』情報の蓄積・管理(啓発への利用,市民調査)
   〇先人の知識の継承,頑張っている保護活動家への応援
   〇市民―行政―専門家の連携構築
   〇標本収蔵施設が危機的に足りない
   〇自然史研究の核として
   ⇒かなり高度なマネジメント力が必要!
 なお,予算はすでに破綻している
 行政に期待は出来ない
 赤字が出ない程度の予算を確保する必要がある

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2011年12月 7日 (水)

生物多様性とくしま会議

生物多様性とくしま会議、18時45分〜21時30分、徳島大学にて。

タウンミーティングのとりまとめについて、各部会からの報告、そして、今後の方針について考える大事な機会。なのに、僕は学内の会議が長引いて21時からの参加。具体的な方向性を見いだせなかったようで、申し訳ないことをしました。。

工学部学生委員長を務めているこの1年、学生が4000人もいるから仕方ないとは言え、いろいろと問題をおこしてくれるので時間をとられる。決して楽しい会議になることはないので疲弊。。

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◆ 今日は朝一から18時まで研究室での卒論中間発表。みんなどのくらい進んでるのかな。  そして引き続いて、生物多様性とくしま会議。各部会がタウンミーティングで抽出された意見のキーワードをまとめて発表してくれるなず。みんなどのくらいできてるのかな。 11/12/07 13:12

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2011年12月 5日 (月)

生物多様性評価の地図化

(財)自然環境研究センターが環境省からの委託により進めている「生物多様性評価の地図化業務」に関するヒアリング。13時〜15時20分、環境省にて。

「平成22年5月に公表した生物多様性総合評価に続き、全国の生物多様性の状況や変化を地図化するもので、昨年度より検討会を開催している。そして、地方公共団体で生物多様性地域戦略を策定する際や、実際に保全活動を 実施する際にも活用され得るものにしていきたいと考えているので、現在作成中である各種評価地図などに関してヒアリングしたい」との依頼による。

ちなみに、生物多様性総合評価の成果は2010年5月に公表されており、報告書の全文が環境省のサイトからダウンロード可能。  

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以下、今日のメモ。僕の名前(鎌田)が入っていない発言は、環境省あるいは自然環境研究センターの方からの発言。

1.評価地図
(1)Satoyama Indexについて
・我々も作成しており、1kmメッシュ内の農地、森林、宅地で多様度指数(Shannon-Wienerの多様度指数)を求め、日本全体の多様度地図を作成した。里山100選や里山モニタリングサイトの選好性と合わせるとH>0.6を里山地域として抽出できることがわかっている。農地だけよりはこちらの方が良い。(鎌田)
 →元々は世界を対象に、二次的な自然がある場所を抽出する際に用いた手法を採用している。
 →里山イニシアティブでは、里山を宅地と農地と森林がモザイク状にあると定義している。その定義に従い構造から分析するのであれば、森林を入れた方がよい。(鎌田)
 →1kmメッシュでも解析は可能である。土地利用は、国交省の100m細分メッシュを元
にしている。データを提供することはできる。(鎌田)
・里山地図がたくさん出ているので、これを機に環境省としての里地里山の定義を決めた方がよい。里山の定義も時代によって変わってきている。SATOYAMAイニシアティブが区切りだと思うので、これに合わせるような形で再整理する必要がある。(鎌田)

(2)無居住地化地図について
・流域単位で撤退できるのであれば、そこにある砂防ダム等の生態系過程を妨げる人工構造物を撤去した上で撤退すれば、生態系は自然の過程によって修復されるはず。課題はシカで、どのような影響が出るかわからない。(鎌田)

(3)重要な沿岸生態系について
・干潟から海に近いところがかなり抜けている。
 →シギチを出しているが、それだけで良いのかという問題がある。シギチが来るところがなぜ良いのかの、説明の仕方が重要。
 →シギチがどのような環境を指標しているのかを、しっかり示す必要がある。また、その変化やポテンシャルが高いがいない場所の意味を見極め、修復する手法と目標を示す必要がある。ポテンシャルマップは今後どのような施策を取るべきか(保全か再生・修復か)を考えるための地図である。(鎌田)
 →熱心な企業は敷地に緑地を作ったりしているので、ポテンシャルマップは、どういった場所で再生をしたらよいか判断する材料になる。
 →徳島は徳島ビオトーププランを作っている。自然林の距離が短く、連結しやすい場所などを示している。企業にとっては、そのような行政の方針を示した地図があった方が活動しやすい。(鎌田)

(4)絶滅危惧種関連の地図について
・調査努力量の問題がある。できればポテンシャル図にした方がよい。(鎌田)
・絶滅危惧種のⅠ類Ⅱ類が入っているが、全て同じ重みでよいのかという問題がある。KBAは良い手法である。(鎌田)
 →KBAと同じデータを使っている。KBAは植物が入っておらず、淡水魚に引っ張られる。

(5)シカについて
・出猟カレンダーのデータを元にすると良い。兵庫県や徳島県では、出猟カレンダーを元にモデルを作成している。(鎌田)
 →時間スケールを入れた方がよいのか。
 →3時期のデータがあるが、場所によって拡大速度が異なる。
 →細かいデータが必要となるので、地域で個別に作った方がよいだろう。(鎌田)

(6)アライグマについて
・このへんから対策をとらないといけないということを示している地図なので、移動可能性が大小という表現はよくない。これを見て自分のところは安心だと思われても困る。(鎌田)

2.竹林
・環境省の植生図を元にしているが、植生図では竹林が抽出されていないことがあり、島根では竹林が存在しないことになっている。モデルを作成してポテンシャルマップを作成したので、これであれば感覚的に合う。(鎌田)
・都市の人は竹林を切りたがっている。東京から伊豆まで切りに行っている団体がある位である。人手のある都市と人手のない地方とでは、竹林拡大への施策としての対応の仕方が異なる。徳島では誰も興味を持っていない。(鎌田)
・人口減少が著しい場所での、竹林拡大への対応は大変である。大分の竹灯りプロジェクトを行っているが、ボトムアップの対策が必要である。(鎌田)

3.窪地
・環境省の仕事で水草ポテンシャルマップを作った。RDBメッシュデータを使用し、10kmメッシュで解析した。分布メッシュが重なる種群をグループ化し、グループ毎に地形と気候条件をパラメータとして推定した。窪地(10mDEMデータから作成)がけっこう効いていた。窪地マップを作ると良い。(鎌田)
・東北大震災の津波の後に水浸しになった場所は、窪地マップとぴったり合っていた。生態系の調整サービスや防災計画を考慮し国土計画を作る必要があり、このような視点を徳島の戦略に取り込みたい。(鎌田)

4.カルテ
・Viewerソフトを一緒に提供できるとよいだろう。(鎌田)
・国有林と私有林を分けた方がよい。また、県の保護区もわかるようにした方がよい。色々な保護区があるが、どこまでを保護区とするかは整理が必要である。(鎌田)

5.全体
・国交省も生態系ネットワークに関する業務で同様の地図を作成している。国交省と連携して進めるべきである。(鎌田)
 →国交省の担当には検討会に出席してもらっている。データや地図の更新を考えると環境省だけでは無理である。
・地図を使うユーザーをどこに設定しているのか。(鎌田)
 →環境省を主に考えている。自治体も想定しているが、このスケールだと難しい場合もあるので、使えるものは使ってもらうということを考えている。地域によっては細かいデータがあるので、地域に応じて考えてもらえれば良い。徳島であればこういう特徴があるので、こういうものは守って欲しいということが見えてくれば良いと考えている。
・ポテンシャルマップ作成を躊躇していた理由は、希少種の保護をする時に、分布が確認されていないがポテンシャルの高い場所に、保護の網をかけることはできないからである。再生を考える際にポテンシャル図を使用できると考えている。
 →ポテンシャルマップは再生・修復の効率化のために使用するべきもの。ポテンシャルが低い場所に再生の労力を投入すべきではない。またポテンシャルが低い場所を保護するというのは意味がない。かつての状態がわからない場合が多いので、土地利用のパラメータを入れずにポテンシャル図を作成し、土地利用がパラメータに入った時に、リスクがどう上がるか比べられるような地図の方が使い勝手が良い。(鎌田)
 →ポテンシャルマップは、環境の指標性が高いものについて作成すべき。例えば生態系別(森林・里地・水辺など)ごとに指標種(群)を出して、そのポテンシャルマップを作成して生態系のモニタリングにつなげるのが適切。(鎌田)
・国のデータは全てが同じ精度ではない。そこからあがってくるデータを演繹的に使えるようにするかが、情報の加工技術としては重要である。今までその手法がなかったが、新しいモデルができているので、様々なことがわかるようになってきた。(鎌田)
・生態系別に、指標性も含め環境と対応する種群を抽出した上で、分布マップをタイプ別に作成しないと、使う側としては困ってしまう。エコリージョン区分とそれを指標する希少生物群を対応づけることができれば、モニタリングにつながる。(鎌田)

6.その他
・マングローブのポテンシャルマップを作成した。70年代に中須賀先生が調べた分布データと環境省の分布データを元に、生育しやすい湾を抽出した。資料が見つからないため、後日送る。(鎌田)
・モニ1000や1/25000植生図の使い方を示していく必要がある。(鎌田)
・日本の湿地500は基礎データとして重要であり、ポリゴンデータをダウンロードできるようにすべきである。指定するだけでは駄目である。(鎌田)
・自然環境データが多様性戦略にこう使われているというのを示す必要がある。(鎌田)

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◆ 羽田着。午後から霞ヶ関、環境省で「生物多様性評価の地図化に係わるヒアリング」。その後、夕方から新橋で「環境省 植生図」の修正方針についての打合せ。使える地図について考える一日。さて、ユーザーはどんな人?  国土管理としての生態系管理とは?  管理主体と担い手は? 11/12/05 11:22

◆ 日比谷公園,紅葉がきれい.通りすがりの人たちが足をとめて写真をとっていく.都市の中の生態系サービスか. 11/12/05 12:34

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2011年12月 3日 (土)

徳島外来種シンポジウム 「生物多様性と外来種」

徳島外来種シンポジウム「生物多様性と外来種」,13時30分~16時30分,徳島大学工業会館にて.河口さんの企画.

参加者は31名と少なめではあったけれど,いつもとは少し違った顔ぶれの方々が集まってくれた.大阪からきてくださった方も.内容は充実していて,とてもおもしろかった.以下,今日のメモ.

<外来種について>
日本の外来種数は2193種,徳島県には18種の特定外来種と70種の要注意外来生物が侵入.詳細は徳島県のHP,「徳島県外来生物リスト」で確認できる.
外来種がもたらす問題は,「捕食」,「競合」,「交雑」,「感染」による在来生物への圧迫.そして,外来生物防除に係る課題は,1)防除主体が明確化されていない,2)一度拡がった外来生物の駆除は困難,ひとたび定着し拡大すると根絶には莫大な費用が必要,3)外来生物に関する情報が一元化されていない,4)市民の認識が不十分.

<アルゼンチンアリについて>
アルゼンチンアリについては,在来アリに対しては脅威となるが,他の生物群に対してはケースバイケース.都市的な乾燥した環境が必要で,里山地域への侵入はあまりおこっていないとのこと.新興住宅地でまとまった拡大が起こる場合があり,庭木や土について運ばれる可能性がある.不快害虫としての問題が大きく,廿日市などでは,住居にたくさんはいってきて対応に苦慮していて,ノイローゼになりそうとの声も.

<外来種問題の解決のために>
1)外来種問題の解決には,「早期発見と早期対応」あるのみ.そのためにも,多くの人が関心を持って監視することが必要.しかし,今のところ情報の受け入れ窓口,整理,発信の経路は全く整っておらず,情報共有するためのプラットフォームやデータベースを構築していくことが必要.
2)徳島県は,外来種の殺処分等のあり方も含め,対策のあり方に関してのガイドラインやマニュアルをつくる必要がある.

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第1回 徳島外来種シンポジウム 「生物多様性と外来種」

 本シンポジウムでは、第一部で徳島県における外来種の現状について、第2部では、世界および日本の侵略的外来種ワースト100にも指定されている特定外来生物「アルゼンチンアリ」に注目し、第一線の研究者から被害についてお話いただきます。
日時:2011年12月3日 13時30分~16時30分
会場:徳島大学工業会館(徳島市南常三島町2-1,工学部内)

第一部
1.趣旨説明(13:30-13:50)
 河口 洋一(徳島大学環境防災研究センター自然環境科学部門・准教授
2.講演(13:50-14:30)
  「徳島県における外来種の現状」
    片山 博之(徳島県自然環境課)
第二部
3.講演(14:45-15:35)
  「アルゼンチンアリの脅威」
    伊藤 文紀(香川大学農学部・教授(昆虫生態学))
4.総合討論(15:35-16:30) 外来種に関する質問タイムもあります
  進行:河口
  パネリスト:講演者2名(片山博之、伊藤文紀)
  徳島県立博物館から3名(佐藤陽一(脊椎動物担当)、山田量崇
  (無脊椎動物担当)・小川 誠(植物担当))

*会場でアルゼンチンアリの模型や標本、日本と世界各地のアリの標本、日本産アリの飼育コロニーを展示します。

主催・共催:徳島大学環境防災研究センター、徳島県自然環境課
後援:生物多様性とくしま会議、NPO法人徳島保全生物学研究会

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