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2012年2月

2012年2月29日 (水)

みなみから届ける環づくり会議・竹林WG

「みなみから届ける環づくり会議・竹林WG」。南部総合県民局にて,13時30分〜16時。

今年度の社会実験の総括と来年度の計画について。

1)農家さんの反応は是非,半々くらい。大きな理由の一つは連絡の遅れ。これは来年度には改善できるだろう。
2)県の事務局。作業量等が多くて,アップアップ状態だった。来年度は,事務局体制の分散化と責任の明確化を行いつつ,事務局機能の分散化と効率化を図る。
3)バンブーケミカル研究所。竹のチップ化機械の開発がうまくいかなかった。これが竹材流通のボトルネックになってしまった。来年度,チップ化機械のレンタル等の検討が必要。
4)来年度,事務局の実行委員会への転移,地域通貨の導入ををめし,NPO,商工会,森林組合などに対して呼びかけを行う必要がある。バンブーケミカルが,今まで以上に中核的役割を果たしてくれる,はず。。

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2012年2月28日 (火)

船窪のオンツツジ保護検討委員会

「国指定天然記念物・船窪のオンツツジ群落保護検討委員会」,13時〜15時、吉野川市山川庁舎にて。

3年前からのこの委員会,ようやく今日が最後。今年度は,オンツツジ群落を地元の小・中学校に環境教育の場として使ってもらい,その活動を核とした協働管理のしくみづくりを立ち上げいくための試みを,岸村さんを中心に行なってきた。ある程度の枠組はできたと思うのだけれど,来年度からきちんと離陸できるか。むしろ,来年度からが始まり。

でも,肩の荷が一つおりた。。

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2012年2月27日 (月)

環境省植生図 中国・四国ブロック会議

環境省が実施している日本全域の1/25000植生図作成に関する中国・四国ブロック会議。13時30分〜16時30分、岡山市コンベンションセンターにて。

今年度,中国・四国ブロックでは,広島県の中国山地周辺で植生図が作成されてきている。その作成手法として示されたのが,ブナクラス域(冷温帯)とヤブツバキクラス域(暖温帯)の地理的境界を,既知の指標種の分布からモデルを作成して示し,そして,その情報を使って両方のクラス域に出現する代償植生のアカマツ群落やコナラ群落の凡例を決定しようというもの。このような,GISベースでの植生図作成は論理的でとてもいいと思うのだけど,植物社会学の方々にはわかりにくいらしく,共通認識にしていくためにはまだ準備が必要。

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2012年2月26日 (日)

「都市の生物多様性」に関する研究会&フォーラム

森本先生(京都大)の主催による、「都市の生物多様性」に関する研究会&フォーラム。10時〜16時30分、京都大学芝蘭会館(別館)にて。

午前中に「都市の生物多様性指標」に関する研究会,午後から「都市の生物多様性フォーラム」。午後のフォーラムでは,京都市や名古屋市の生物多様性地域戦略の策定や指標の用い方について,また,パナソニックの取り組みについて紹介された。僕は,徳島での取り組みについて紹介。

URBIO (Urban Biodiversity and Design) Network代表のMuellerさん (Erfrut大学,ドイツ)とも久々にお会いして,楽しい時間。2年前,名古屋でのCOP10開催前に,その第2回国際会議を開催して以来。

今年のCOP11開催直前に,インドのMumbaiで第3回国際会議を開催することになっている。その後の事務局体制など,僕たちのグループに期待しているようなのだけれど,今の体力では少し難しいな。。

■都市の生物多様性フォーラム:13:20―16:30

2010年に開催された生物多様性条約COP10では、生物多様性の保全とその恵みの持続可能な利用に向けて、都市の果たすべき役割がクローズアップされ、また自治体や民間を含む多様な主体の連携促進が求められました。都市における取組みのためには、その現状の把握と評価、これからのシナリオの検討が必要とされています。今回、URBIO(都市における生物多様性とデザインに関する専門家の国際的なネットワーク)代表のミューラー氏をお招きして、世界最初の「都市の生物多様性概況(CBO)」プロジェクトなど最近の状況について、ご講演いただくとともに、我が国の取組みについても情報交換し、評価指標のありかたやCBOのキーメッセージについての議論を深めたいと思います。

・開会の挨拶:森本幸裕
・基調講演:N.ミューラー(URBIO代表、エアフルト大)
 「都市の生物多様性概況」は何を目指すか
・話題提供
 1)宇髙史昭(京都市) :京都市地域戦略策定に向けてー身近な自然度調査から考える
 2)飯田慎一(パナソニック):生物多様性と地域連携
 3)髙木俊孝(名古屋市):生態系サービスの見える化に向けて
 4)鎌田磨人(徳島大):人と自然のネットワーク
・討論
 コメンテータ;香坂玲(名古屋市大)、加藤正嗣(なごや環境大)、古田尚也(IUCN)、伊東啓太郎(九州工大)、今西純一(京都大)、浅枝隆(名古屋大)、夏原由博(名古屋大)
・まとめと閉会のあいさつ:小林達明(千葉大)

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2012年2月24日 (金)

徳島県生物多様性地域戦略策定連絡会議

「徳島県生物多様性地域戦略策定連絡会議」、徳島県環境審議会小委員会、生物多様性とくしま会議、そして県庁内の30課程度が集まって情報交換。13時30分〜16時30分、とくぎんトモニプラザ中会議室にて。

1.徳島県生物多様性地域戦略について(事務局 [自然環境課])
2.「生物多様性とくしま会議」による「徳島県での生物多様性地域戦略策定に向けての提案」について(新開代表)
3.「生物多様性とくしま会議」と自然環境課による“生物多様性タウンミーティング”の協働実施(新開代表)
4.「徳島県生物多様性地域戦略策定検討小委員会・専門部会」および「希少野生生物保護検討委員会」での検討(大田専門部会長/副委員長)
5.「徳島県生物多様性地域戦略策定検討小委員会・総合部会」での検討(綿谷総合部会長)
6.生物多様性の把握と評価に向けてのとりくみについて(河口委員)
7.タウンミーティング、希少野生生物保護検討委員会、小委員会での意見のまとめ(鎌田委員長)
8.生物多様性地域戦略の策定に向けたこれからの取り組みと連携について
 1)市民による行動計画の検討に向けた「とくしま会議」の取り組み(新開代表)
 2)行動計画の検討に向けた企業へのアンケートの実施 (鎌田委員長)
 3)行動計画の検討に向けた行政各課へのアンケートの実施 (鎌田委員長)
 4)今後のスケジュールについて(事務局 [自然環境課])

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◆ 皆さまのご参加により実施した「生物多様性とくしま戦略タウンミーティング」。その成果がとりまとめられ,県庁内の30課以上の担当者,環境審議会の小委員会メンバーが一同に介して開催された「徳島県生物多様性地域戦略策定連絡会議」で紹介されました。その際に配布された資料を掲載します。皆さまによる成果を,ご確認ください。

◆ タウンミーティングで得られた意見を整理し、取りまとめたものを「平成23年度地域生物多様性保全計画 (徳島県生物多様性地域戦略)策定支援事業報告書」に掲載しました。当該部分をアップしてもらいましたので、ご確認ください。

 → これら資料のDLは、タウンミーティング総括資料 へ

◆ 2011年10月23日に開催された「経済地理学会徳島地域大会 徳島大学公開シンポ ジウム」で,生物多様性とくしま会議の取り組みが紹介されました。その要旨をアップいたします。今までの活動を振り返る資料としてご利用ください。

 → この資料のDLは、生物多様性とくしま会議の取り組み へ

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2012年2月20日 (月)

卒業論文発表会

2011年度、卒業論文発表会。僕たちの研究室からは、昼間コースの7人、夜間主コースの1人が発表。それぞれに、最後の追い込みは見事でした。

岩本敏明 「徳島県の生物多様性保全上の課題-生活者の視点から」
岡 和樹 「高性能機械導入による人工林間伐可能エリアの推定」
悦宗利幸 「都市近郊里山の土地利用変化から見るリスク評価」
丸大一茂 「西日本6地域における竹林拡大予測モデルの作成」
中津充裕 「圃場整備水田域の排水路網におけるドジョウの生息環境解析と分布域の地図化」
上村嘉彦 「アユの食味に影響する環境要因の抽出」
坂東伸哉 「ダム試験湛水前後における河川内有機物の質的変化」
泉 雄太郎 「知床半島の河川におけるオショロコマ密度の現状と人為的改変が与える影響」

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2012年2月17日 (金)

修士論文公聴会

2011年度、修士論文公聴会。僕たちの研究室からは3人の学生が発表。落ち着いた、いい発表でした。無事に合格。おめでとう。

三幣 亮 「徳島県における森林ゾーニングの提案」
大西 舞 「自然資源の協働管理における地域マネージャーの果たす役割」
青山直寛 「佐渡市・国仲平野における水系ネットワーク再生の提案」

僕が直接指導したのは、三幣と大西。

三幣 亮 「徳島県における森林ゾーニングの提案」
 戦後の拡大造林とその後の林業経営の悪化から管理放棄された人工林について、1)土地の生産力、2)施行管理のしやすさ、3)災害危険箇所、4)自然林再生優先度、の4つの視点から評価し、今後も経済林として維持すべき人工林、自然林に転換していくべき人工林を抽出し、ゾーニング案として提案したもの。こうした複数の視点から人工林を評価し、論理的にその方針を示してくことは、国土管理を行う上で非常に重要である。本研究は、その手法と手順を明確にし、そして地図として提供しえる状態にまで完成させた。

大西 舞 「自然資源の協働管理における地域マネージャーの果たす役割」
 地域の自然資源管理に係る地域マネージャーの役割を、以下の視点から明らかにしたもの。1)沖縄県石垣市白保および広島県北広島町における自然環境の保全活動プロセスと社会ネットワーク構造の把握、2)2地域の比較をとおした地域マネージャーの役割の共通性抽出、3)2地域で見出された指標を用いた、徳島県における活動の診断および高次の共通性抽出。多様な主体の協働による自然環境保全の取り組みが重要になる中、本研究で明らかにされた知見は、協働のしくみの構築および活動の促進を行う上での社会技術として役立てることができる。

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2012年2月12日 (日)

第3回 生物多様性協働フォーラム

第3回 生物多様性協働フォーラム、兵庫県公民館(神戸)にて、14時〜17時30分。400人の参加、大盛況。

菊地さん(結・社会デザイン事務所 / アミタ)が紹介された、一つ一つの企業が関与して保全していく1種もしくは1生息地を決めて、活動していくという方式には、とても感銘を受けた。こんな活動が、徳島でも広がっていかないかな。

以下、メモ。

● 山西(大阪自然史博物館)
大阪市での地域戦略づくりについて、審議会が答申。策定過程では、大阪自然史博物館が協力。

● 中瀬(人と自然の博物館)
行政の仕組みを利用した企業の森づくりについて

◯ 民産官学の目標
 保全
  兵庫:戦略、生物多様性指針?
 防災・減災
  災害に強い森づくり
 文化の保全・創造
  里山、都市山(六甲山)
  県民の参画と協働の促進に関する条例

 企業が参画する際の課題
  情報・知識の不足
  活動メニュー(場所の確保)
  外部会館との連携

 博物館による企業の参画支援
  調査研究、学習支援、コーディネート(ボンディング、ブリッジング)

◯ 企業と森づくり
 企業の森づくり事業
  緑化推進協会・兵庫県
   ひょうご森づくりセンター
    コーディネート、プランニング、トレーニング、アクション

 企業の森・里づくり事業
  丹波県民局(事務系職員) →地域住民、ひとはく、企業 委員会
  農山村地域の環境問題の解決
   企業と小地域(集落)のマッチング
    →企業職員の福利厚生の場
     都市・農村の交流

 尼崎21世紀の森づくり

 企業緑地の活用
  絶滅危惧種の保全

 三星ベルト
  ひとはくでの職員研修
  神戸市側の小学校にはすべてビオトープができた
   市民NPOのサポート
   三星ベルトによる資材、技術・人材サポート

 ミツカン酢
  食品工場のまわりに里山造成

◯ 消費者
  生物多様性に係る消費者の価値観
  エシカル(倫理的)消費、CBRM

● 菊地(結・社会デザイン事務所 / アミタ)
 丸紅→ アサザ基金→ 鷲谷研 コーディネート

 滋賀県の生物多様性活動= 地域の強みを引き出し、もり立てていくこと
  琵琶湖という環境アイコン
   琵琶湖いきものイニシアティブ 滋賀経済同友会 10項目の宣言
   滋賀県は中小企業が多い
     → 1企業1種もしくは1生息地への関与
     → 持続可能な一次産業の支援
   企業も地域社会の一員としての認識
   湖南企業いきもの応援団

 kikito (湖東地域材循環システム協議会)
  淀川水系1400万人のいのちの水を育む「琵琶湖の森」
  kikitoマーク、QRコードを使ったトレーサビリティ
  kikito paper 端材の買取、オフィス用紙として加工

 たかしま生きもの田んぼ・ライス8アクション
  特定のいきものをシンボルとしてブランド化は行わない
   → 各農家が自慢の生き物を設定。米穀店からの申し出、「打ち上げの一部 8円/1kg を、生き物との共生を目的した活動の支援に」。

● 山田(ブリヂストン) 
ブリジストンびわ湖生命(いのち)の水プロジェクト
 地域での環境保全活動の中で企業の果たす役割
 環境宣言 社会活動としての位置づけ
      地域の一員としての会社、地域の人々と結びついた活動

 2004年〜2010年 WWFジャパンとの共同プロジェクトとして開始。WWFによる基盤づくり。
 2011年〜 
  ・自然観察会
    70〜80名/1回
     5〜6名の従業員がスタッフとして参加
       +琵琶湖博の協力+地域の方々のサポート
  ・絶滅危惧種繁殖に観する研究活動支援
    ビオトープ(びわトープ)を造成
    カワバタモロコの繁殖研究支援(三重大)、環境教育
  ・琵琶湖博物館常設展示の支援

 滋賀県知事からの感謝状

 企業が果たせる役割
 1.地域社会への積極的な参画
 2.課題の共有と期待される役割の確認
    それぞれのセクターができること(役割)を確認することが重要
 3.リソース(従業員、事業所、PRなど)の有効活用

● 対談:井戸兵庫県知事、嘉田滋賀県知事
   進行:岩槻 人と自然の博物館長
◯ 井戸
 関西広域連合(2府5県);地方自治法にもとづく(EUモデル)
 1.関西全体として取り組むべき仕事
    防災、観光と文化振興、産業振興
    環境保全 (例えば、カワウ)
    広域医療 860回/1年(特に山陰)
 2.国の事務を引き受ける(地方自治、地方分権)
    国に任せると標準的・画一的な思想での施策となる
    戦後復興の時にはよかったが、今の時代の価値観にはあわない
 3.地方が主体的となるしくみを創り上げる
    今までは国に対して要請だけしていた

◯ 嘉田
 滋賀全体として広域連合だ、という雰囲気にはなりにくい(大阪等に集中して、他は切り捨てられるのではないか)。この中で、環境はまとまりやすいかも。

生き物の多様性およびCO2対策
 関西の生物多様性は文化の多様性とセット
 1)2030年にどうあるべきか
 2)どのように持っていくか
 3)具体的な施策

 対立型社会モデル:自然の囲い込み
 重なり型社会モデル:自然を使いながら守る

 多様性の危機
 1)人間活動や開発による危機
    ダム開発など 琵琶湖総合開発
 2)人間活動の縮小による危機
    里山 マツタケ
    セタシジミのシジミ掻き(とればとるほど酸素が供給される)=里海
 3)人間に持ち込まれたものによる危機
    シカ(兵庫12万頭、滋賀25000頭、もっと)
    カワウ
    ブラックバス
 4)地球温暖化の危機

 関西が目指すべき姿(2030年頃)
 目標:地球環境に対応し、持続可能な社会を実現する関西(環境先進地域)
    ・CO2半減(ウランや石油等、いずれ枯渇する資源に依存しない)
      →滋賀では条例をつくった

 自然と触れ合うことによる価値
 食文化と風景

 生物多様性の 使用価値、触れ合い価値、存在価値 をセットとして皆で享受しながら、将来に伝える。すべての山と川がセットで価値を持っている。

 まずはカワウ対策
 ニホンジカ、アライグマにどう拡げるか

 博物館ネットワークを利用した情報共有
  生物多様性に関する情報の共有・一元化
  うおの会→3000箇所での調査
  報告書印刷など、ブリジストンや経済同友会が支援

◯ 岩槻
 災害と生物多様性 標本のレスキュー
  → 西日本自然史系博物館ネットワークが機能
  → 館長同士のみならず、担当者同士が直接やりとりをしていたこと

 兵庫県での生物多様性に対しての対応は?
  森林動物研究センター
  防災に対応する森づくり ←緑の環境税

◯ 井戸
 シカ 30000頭/年 駆除 5年間で平衡水準になるだろう
 限界集落での言葉:黒い森が集落に迫ってくると危ない=手入れされない人工林=災害に弱い森
 新兵庫の森づくり 間伐を公費でやってしまう
          里山に人が入れるように 10000ha
          森林ボランティア 10000人
 県民緑税 800円/1世帯  企業には1割上乗せ  5年間で100億円
  → 8年前の豊岡等での水害経験がきっかけ
  → 傾斜度30度くらいの人工林には間伐をして根本に土砂くずれ防止柵
    広葉樹の混在化
    里山(裏山)の整備
    集落周辺にバッファーゾーンをつくり、奥山に広葉樹林帯をつくる
 森林動物研究センター
  →野生動物との共生空間をどのようにつくるか、に対しての科学的根拠
   シカ分布状態の把握
  →人と接点を持つ場合には、どのような方法がいいのか
  →研究者と林業普及員を配置
    林業普及員は全員がセンター職員を兼ねてくれたらいい
    森林保安官としての仕事

◯ 岩槻
 生物多様性戦略 
  企業をはじめ様々なセクターの人が関与するようになった
  県のみならず、様々な市町村、集まりで戦略ができていけばいい

 近畿圏全体としての推進は?

◯ 嘉田
 住民参加の生き物調査が一斉にできる時代 GPS携帯など
  マスコミの協力があれば進みやすい
  コウノトリが好きな魚さがし
 国の出先機関のまるごと移管
   国交省、通産、環境省 → 利水・治水・環境セットでのガバナンス

◯ 井戸
 兵庫県 策定済み 神戸と明石、  検討中 。。
 コウノトリの野生復帰PJ
  =コウノトリが生息できる環境をつくれるか
   →地域の人が有機・無農薬農業を推進してくれるかどうか
   →自然護岸の川、湿地帯を回復できるか
   →アカマツ林を回復できるか
  「コウノトリを育むお米」→TPP対策の一つに位置づけられないか
               中国への輸出

◯ 岩槻
 都市近郊の里山は関心が高まりいい方向に進みつつある
 中山間地域の里地里山をどうするか
  北摂まるごとミュージアム
 国内向け里山イニシアティブが必要

◯ 嘉田
 二つの意味を意図的にもたす
  1.Forest 森
  2.広義の里山 琵琶湖全体

 問題はシカ。獣害。
  カンアオイが食べられてギフチョウがいない
  トチの実がならない(ミツバチの減少)

◯ 岩槻
 フォーラムへのコメントは?

◯ 井戸
 小学校3年生 少なくとも年3回は自然の中に出かけて、体験し、命の不思議さを感じてもらうようにしている(カボチャの栽培)。5万人の子供たちが参加していることになる。
 子供たちが種を播いたあとのサポート体制が重要。

◯ 嘉田
 関西ネットワークの人材がいることの安心感
 広域連合にはいることによって、他の自治体の良さを学べる
 職員が他流試合をしながら
 次は上流の琵琶湖で。。
 下流の子供たちにも湖上体験を。船をつくりたい。。

● 渡辺(環境省)
 120を超える自治体が生物多様性自治体ネットワークに加入
 地域からのボトムアップによるしくみの大切さ

 知床世界遺産に係る仕事をしていた時の、「自然を守ることの重要性は自分たちが一番よく知っている」という漁師の言葉が心に残っている。全国の国立公園レンジャーが、地域と一緒に協働型の管理システムをつくれるようしたい。そして、新国家戦略と地域戦略が相互に響きあうような関係になれば。

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2012年2月11日 (土)

みなみから届ける環づくり会議シンポジウム、子供たちと進める環境保全

「第4回 みなみから届ける環づくり会議シンポジウム、子供たちと進める環境保全」。13時15分〜15時15分、阿南市文化会館夢ホールにて。

第1部は、環づくり会議の4つの部会から、1年間の活動報告。1)公共交通の利用促進に向けて、2)「竹の駅プロジェクト」の実施、3)住民参加のきっかけを求めて。4)子供たちと考えたい、水の大切さ。

第2部では、阿南市内に工場を持つ日本電工、王子製紙、日亜化学と小・中学校が連携して行なった環境教育活動の成果を、橘小学校、阿南第一中学校、富岡東中学校の生徒たちが発表してくれた。

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橘小学校


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阿南第一中学校


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富岡東中学校

そして、富岡東中学校からは、今後の活動に向けた提案も。
「みなみから届ける環づくりクラブ」をつくって、活動を広げていくという。すでに実施計画まで作られていた。環づくり会議の活動の、素晴らしい成果の一つ。

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2012年2月 6日 (月)

学位論文公聴会―荒木田さん

僕の学生の荒木田さんの学位論文公聴会。

「シギ・チドリ類の生息地管理に向けた広域モニタリングデータの活用手法の開発」

干潟等の沿岸域生態系の保全・管理を推進していくため、それらの場所を生息地として利用しているシギ・チドリに関する広域モニタリングデータを用いていくための手法開発を行なった。すなわち、環境省主導で実施されている「モニタリングサイト1000」により、全国135地点で蓄積されているシギ・チドリの個体数、分布データ、及び調査地の概況データを用いて、以下のように検討が進められた。
1)    モニタリングが実施されている調査地内の環境面積を用いて、サイトの類型化を行い、地図化した。
2)    「湾ユニット」という地形ユニットを新たに開発し、湾の地形を空間階層的に評価することで、閉鎖性の高い海域に立地する干潟の立地ポテンシャルを推定した。
3)    調査員によって定性的なメモとして記録されてきた「調査地の現況」に関するデータの活用手法を開発した。すなわち、それらデータを一度集約した上で、調査員にフィードバックする形でのアンケート調査を行って、シギ・チドリ類の生息地劣化を引き起こす要因を抽出した。そして、研究者へのアンケートで要因の構造化を行なった。
4)    モニタリングサイトの後背地の土地利用面積を開発圧の指標として用い、サイトの開発圧を類型化して、地図化した。
5)    これらの結果をもとに、沿岸域における生息地保全・管理の方向性を検討するとともに、今後のモニタリング調査のあり方についての提言をまとめた。

とてもいい論文だと思います。研究過程では、三橋さんに面倒をみてもらいました。ありがとうございました。

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2012年2月 4日 (土)

NACS-Jシンポ「みんなでつくる生物多様性地域戦略」

NACS-Jの主催によるシンポジウム「みんなでつくる生物多様性地域戦略」、10時〜17時、フクラシア浜松町にて。全国から150人ほどの方が集まってきていた。
僕からは「市民団体と研究者によるワークショップと提案づくり」と題する発表、徳島での地域戦略の策定過程について。

以下、メモ。

● 渡邊綱男(環境省自然環境局長)
現在24の自治体で戦略策定、54で策定中。黒内松町では、生物多様性祭りを開催し、地域に成果を報告して、地域の人が地域の未来を考えるしくみを作っている。
震災復興では、環境省としては生態系サービスを基礎にした国土づくりを基軸にし、 その旨を「生物多様性国家戦略」に盛り込む予定。
後で渡辺さんと話した際に、徳島の地域戦略づくりにはとても期待している、とおっしゃっていた。その言葉、徳島のみんなに、直接伝えてもらえれば、もっと勇気づけられるかも。何とかチャンネルをつくろう。

● 亀山章(東京農工大名誉教授、NACS-J専務理事)
地域づくりの視点 多様な主体が、「生態系サービスが地域の財産」であると認識し、それを活かしていくこと。
 生態系サービスをどのように見える化するか、が重要。
  ・地域の固有性の評価
  ・自然は歴史的文化財
 そして、エコロジカル・ネットワークの視点

● 中村俊彦(千葉県生物多様性センター・中央博物館・自然保護協会)
白米ごはん vs 雑穀ごはんを例にして、どちらが生物多様性が高いかを問いかけ。生態系サービスの見える化の一例。雑穀ごはんは“多様性ごはん”。

 生物多様性の意義(人間にとっての価値)
  ・生物の価値
  ・人間にとっての価値安定性、可能性
 県戦略策定の3つの視点
  ・地球温暖化と生物多様性を一体的にすえる
  ・多様な人々の生活なりわいの視点
  ・実現可能性
 戦略実現のために、生物多様性センターを設置。

● 河野耕三(宮崎県綾町企画財政課)
綾での46年間の取り組みについて。綾町はの人口は7800人。人口減は一応とまったが、そのために対策補助金をもらえなくなった。
1966年から、自然と共生する取り組みを行なっている。その核となるのが、 照葉樹林文化論を中心にしたまちづくり。森林法に基づき、町有林を「生物多様性保全林」を指針として経営、「自然生態系農業推進に関する条例」の制定、「綾町の自然を守る条例」などの施策や、「酒泉の杜」を設立し、酒造りを生態系サービスの象徴として経済効果も狙っている。現在は、MABのBiosphere Reserveの設定すべく活動しているが、MABに対する認識・理解のなさ、ゾーニングに対する不信感、運営体制・組織など、いろいろと課題もあると言う。キーパーソンは前・現町長で、町民からの理解は余り得られていないというが、ユニークな施策を推進しているこの町、一度、訪ねてみたい。

● 佐野郷美(市川緑の市民フォーラム事務局長)
市川市では、「市民政策提案制度」を持つ。市民が政策提案できるというもので、この制度を全国で5−6の市町村でしかない。市川緑の市民フォーラムが中心となって、エコロジカル・ネットワークの形成を提案し、採択された。
この制度、面白い。

● 窪田達央(長野県自然保護課)
長野県での生物多様性地域戦略についての紹介。「必ずしも政策的・社会的に最適かつ不可欠なものとして提示するものではない」としながら、危機への対応のための選択肢が示されている。これが行動計画にあたるのだろうか。施策体系は、「知る」、「守る」、「活かす」、「広める」、「つなぐ」が基軸となっていて、環境教育の発展版みたくて、わかりやすい。その実現に向けて「信州生物多様性ネットワーク」を設置して、地域連携・協働促進プロジェクトを進める。長野県には環境保全研究所があるため、これと連動させることで、生物多様性センターの機能をもたせようとしているように思う。読みやすさ・ストーリー性にかけたことが、策定上の反省点。ライターの必要性を説いておられた。僕もそう思う。

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● 乙幡千枝実(千代田区環境安全部参事)
千代田区、皇居を中心としたオフィス街での取り組み事例。温暖化対策としては、2020年までに25%削減することを目指していて、環境モデル都市となっている。
都市で、なぜ生物多様性に取り組むか。それは、「人間生活の利便性を最優先にしたまちづくりをこれからも続けるのか」という街づくりへの根源的な問いかけ、そして、「皇居やお濠の豊かな自然に対しての関心の低さに対する反省、そして、「何もしなければ人間にとっても生活し難いまちになってしまう」という、行政の危機感からスタート。そして、千代田区のような課題山積みのところで実現できれば、どこでもできるだろうという考えのもと、戦略では、皇居を核とした生き物のつながりの拡大を目指す。担当者である乙幡さんの熱い想いが伝わってきた。

第2部 パネルディスカッション

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● 道家(NACS−J)
生物多様性地域戦略の策定は目標・ゴールではなく、あくまでツール。同じ思いをもった人をどれだけ集め、ネットワーク化し、そして継続していけるか。うん、そのとおり。

● 中静 透(東北大)
「生態系サービス」は、生物多様性が意識化されていない人に伝えるための言。食品関係、酒関係は生物多様性を理解しやすいはず。もっと巻き込むべき。
Jリーグでは、70%のチームが生物をエンブレムのモチーフにしている。生物多様性の表現。  なるほど。
地域戦略で考えるべき生態系サービスとは、「里山の恵みの新しい考え方」、「固有の生き物をつかった地域おこし」、「固有の文化の継承と発展」、「こどもの発想力」。
生態系サービスを軸として実現していくべきことは、「暮らしや産業、地域文化と生物多様性の関係を明確にできること」、「いろいろな立場の人を巻き込めること」、「地域の全体的な将来像を具体的に考えるようになること」、そして、「生物多様性の主流化」。

●    長谷川雅美(東邦大学)
「環境自治」と「研究者の役割・しくみ」について。長谷川さんは、科学者として地域での主体的な意思決定を志向する市民を支援。これからの課題は、「環境を自治するための科学」を構築すること。

●    奥田直久(環境省生物多様性地球戦略企画室)
COP10で採択された愛知目標に沿った形で各国の国家戦略を見なおしていく。日本の国家戦略も見直し中。地域戦略については、15道県9市で策定済み、27都道府県他で策定中・検討中。
計画をつくることよりもプロセスが大事。どれだけ多くの組織、部局をまきこめるか。

●    藤田卓(自然保護協会)
地域戦略ガイドブックについての紹介。

<総合討論>
Q; 従来の自然保護と生物多様性戦略との違いは?
 A. 中静; 守る → 生態系サービス
 A. 長谷川; 保護すべき場は依然として残る。そうした議論がない場、あるいは終わった場で生物多様性をキーとした議論
 A. 奥田; 「保護 vs 開発」から、「持続可能な利用」への変化。様々な部局が生物多様性のために何ができるかを一緒に考えることが必要。応援できることは何か、参加できるものはなにか。
 A. 藤田; 関わる人の幅が広がる。それぞれが責任を持つ。
 A. IUCNの標語の変化にも、それが現れている。  Conserving biodiversity → Conserving and valuing biodiversity

Q; 生物多様性の普及啓発の方法・効果的な手法は? 無関心層、関心はあるけど行動してない、行動しているが考えてない。。
 A. 中静; 生物多様性を身近に感じない人たちの中にある、身近な生物多様性への気づきの喚起。気候温暖化等をやっている人たちの無理解。論理性を求めるこうした人たちへの説明が最も難しい。頭と心と身体のバランスが重要。
 A. 長谷川; リーダーの中にある関心を戦略に持ちながら、広めていく(保育園・幼稚園での里山活用について、先生に働きかけるお母さん)。
 A. 黒田; 相手の立場にたって言い方・表現を変える。「なぜわからないのか」と、相手のせいにしない。有名な人を使う。AKB、韓流スターなど。。
 A. 藤田; 自分との関係を示す。具体に考える材料。ママ(地域に根付いている人)が大事なのでは。
 A. 道家; 可視化の手法。

Q; TPPとの関係は?
 A. 奥田; 地域の特性を活かすことは重要。グローバリゼーションとは違った方向は必要。TPPとの関係は勉強中。

Q; 区域を乗り越えるには? 区域とは?
 A. 奥田; 行政が作る計画である以上、責任をとる対象として区域が必要。が、その区域内に限定する必要はない。

Q; 目の前のゴルフ場開発を止めるには?
 A. 長谷川; 市民向けの講座をやってきていたところに開発問題が勃発。その講座で学んだ方たちを核に、問題に立ち向かった。距離的に近いところで活動している人や経験豊かな人に相談する。

Q; 商用化することでオーバーユースに陥ることがあるのでは?
 A. 中静; 西粟倉では、林産物をマーケッティングして必要な生産を行っている。森林認証制度にのっかる。認証制度が付加価値につながればいいのだけれど。。 消費者とも一緒に考える必要がある。

Q; 保全・再生につながったことは少ないのでは? アクションをつくる主体は?
 A. 藤田; やろうと思った人が覚悟を決めるしかないのでは。。 また、そんな人を増やす。

Q; 計画・策定に県民参加、その後、アクション部分でも多くの県民参加が得られているのか?
 A. 長谷川; 堂本ismの浸透。県職員が必ずTMに出向いた。弟子をつくってばらまく。
 A. 佐野; 県民提案で戦略ができた。その後、県民会議はチェックしていこうとの動き。堂本知事から森田知事に交代、前知事の方針は引き継がない方針が見えていて、とても問題。

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2012年2月 2日 (木)

生物多様性とくしま戦略の策定と推進に向けたアンケート

生物多様性とくしま戦略の策定と推進に向けたアンケートの打合せ。13時〜17時、研究室にて。樫本さん(社会人ドクター3年/ビオトープ管理士会)、野田さん(大阪自然環境保全協会)、片山さん、山本さん(徳島県自然環境課)と。

徳島県における生物多様性の保全や利活用に係る取り組み状況を把握するためのアンケートを、環境審議会・徳島県生物多様性策定検討小委員会が主体となって実施する。

一つは、徳島の企業の生物多様性についての認識状況と、企業に生物多様性を事業に取り入れていってもらうために必要とされる支援内容を把握するためのアンケート。アンケートをとおして、生物多様性や生態系サービスの損失に係る問題を周知していくことも狙いの一つ。野田さんに原案づくりを依頼。

もう一つは、県庁内の各課が、生物多様性の保全・修復に関して、どのような施策・事業を展開しているのか、そしてそれをもっと進展させるためには何が必要なのかを把握するためのアンケート。タウンミーティングや小委員会で抽出された課題に対して、それぞれの課がどのような取り組みを実施しているのかを一覧表にまとめる。それぞれの課が、生物多様性に係る課題に関係しているということを認識してもらうこと、また、縦割り行政によって隣が何をしているのか知らないという状況を改善できればという願いも込められている。行政向けアンケートは樫本さんに担当してもらっている。

徳島県の地域戦略づくりにはほとんど予算がないため、こうしたアンケートづくりもコンサルには手伝ってもらえない。いろいろな人にお願いし、相談しながら進めることになる。そのことは苦しいのだけれど、県の状況や協働のあり方についての理解が深く、また、今するべきことがわかっている仲間との作業となり、生産性は高い。お願いする僕としては、それをやり遂げることへの責任感を強く感じる。

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2012年2月 1日 (水)

「生物多様性とくしま会議」による人材育成プログラム作成

「生物多様性とくしま会議」、18時45分〜21時30分、徳島大学にて。

「生物多様性とくしま会議」は、2011年3月にまとめた「徳島県での生物多様性地域戦略 策定に向けての提案」で、とくしま戦略の策定にあたって検討すべき7つの項目を提示した。そのうち、行政のみでは取り組みが困難と考えられる「生物多様性 保全を推進する人材の育成」を徳島県との協働で実施していくための方法を検討する。そのシナリオは、とくしま会議参加団体がそれぞれに実施している活動や イベントなどの中から、奥山・里山、川・海・汽水、まち・里等、テーマに沿った内容のものを集めてカリキュラム化し、人材育成に努めるというもの。徳島大学内でも、これを学生や社会人の教育プログラムとして位置づけられるよう、連携を強化していくための施策を検討していきたい。

今日は、必要な「人材」とはどのようなものか、それを共有するためのWS。そして、各グループが保有する人材の共有。

その他、今日の会議では、「生物多様性とくしま会議」として、にじゅうまるプロジェクトに参画することが決まった。具体的なことは、これから詰める。

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環境省植生図の作成に係る技術手法検討会

環境省植生図の作成に係る技術手法検討会,東京国際フォーラム(有楽町)にて,10時〜12時。

日本の6割の植生図作成が完了。そして,今のところ平成37年まで係る見込みとのこと。。 残っている山岳地域等の作成をどのように行なっていくかが課題で,それを効率的に行なっていくための技術検討が必要。

僕からは,星野さん(東京農工大)のアドバイスのもと,M1の安東くんが担当して進めている,植生調査データを使った群集・群落識別種の統計的抽出と植生区分の評価を報告。二次林を区分するための識別種は,うまく抽出できない。遷移によって,時間的連続性の中で種が置き換わっていくためだろう。

就職が決まっている安東くんは,この3月まで。発表を聞いてくれた皆さんは,とても残念がってくれた。それだけ必要性と見込みがある研究ということ。さて,4月からどうするか。。

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