講義

2009年6月21日 (日)

地域環境マネジメント実習

20日-21日,学部3年生を対象にした実習。正式な科目名は「建設創造実験実習」だけど,僕の担当は地域環境マネジメントスタディーズに所属する40人ほどの学生を対象にしたもの。「千年の森づくり」の現場で,上勝町の方から直接話を聞き,地域が持つ課題を解決するために必要な技術を学ぶ。1泊2日の行程。1)森林保全,2)風景の発見と発信,3)環境教育プログラムの開発といった3つの課題から一つを選択し,3つのグループに分かれて課題をこなす。

その成果は,1月に開催される「千年の森セミナー」で学生が発表し,地域に還元する。また,開発された環境教育プログラムは,実際に使用されたりもする。

僕の課題には15人の学生が挑戦。伐採跡地での再生目標とするために2000年に調査した自然林を再調査するというもの。上勝ではシカの食害による林床植生の劣化が顕在化している。実習をとおしてモニタリングを行い,変化の様子を把握する。同時にシカの糞粒調査を行い,シカの個体密度を推定する。2007年から実施しているこれらの課題に加え,今年は,シカ防護柵(1区画は15m×15m)を3つ設置するという作業を行った。これにより,来年からの実習で,シカ防護柵の内外の比較から,シカが林床植生に与える影響をより明確に把握できるようになる。

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ほとんどの学生にとっては初めてのブナ林,山道を歩くのが初めての者も。そして,あいにくの雨。結構しんどいけれど,2日目の夕方に実習をやりとげた学生たちは,充実感を得ているよう。

夜はバーベキュー。「千年の森ふれあい館」と同じ敷地内にある廃校を利用した宿泊施設「森の楽校・旭の宿」の田上さんの好意により,肉は大盛り。学生がたいらげる。

そしてスパイスのきいたシカ肉カレー。「千年の森ふれあい館」の行事の一環として,真田先生と地域の方々の協働料理。絶品だった。

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そして希望者を募って,夜のシカ観察。暗闇に向かって照らすライトの光に浮かび上がるシカの目を探す。これも,シカの個体数を推定するための手法。シカを見つけた学生は興奮。

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実習のマネジメントは源典子(M1)。今年はシカ柵の設置とかの大仕事があったので,研究室から河口先生,武知(M2),竹村(M2),宮本(M1),三幣(B4),熱田(B4),大西(B4),青山(B4)が参加。そして,シカ柵の設置や毎木調査の指導は,地域の林家である田中さんご夫妻や,県職員の森さん・土井さんにお手伝いいただいた。

連絡調整は,真田先生,そして「千年の森ふれあい館」の勝瀬さん。

みなさんに感謝。

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2009年4月12日 (日)

新入生合宿研修

新入生の合宿研修(11日-12日)。今年は、吉野川流域の橋を見て回り、その技術にふれることがメインテーマ。僕は東京出張と重なって、初日の夕方からの参加。。

宿舎の池田の宿では、学生が班にわかれて、新聞紙を使った橋づくり。夕食を食べながら、それぞれの班が作った橋が、どれだけの荷重に耐えるかを競い合った。重りには缶ジュース。乗せられた数のジュースが景品。

それぞれに工夫した橋の競技は、楽しかった。学生も楽しそうで、共同作業を通じて、親睦も深まったよう。

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2日目(12日)は、まず、つり橋の原型、祖谷のかずら橋。祖谷に行くのは、僕も久しぶり。「ひきょういやおおはし」というのができていて、道がわからなかった。。 そして、祖谷の斜面に張り出す、巨大な駐車場。祖谷の集落を支える斜面の曲線とぶつかる柱の群れ。構造物が風景と風土を損なう典型。。。

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そしてつるぎ町の土釜橋(どがまばし)。昭和5年に建設されたそのアーチ橋は、土木学会によって土木遺産とされている。調査で祖谷に通っていた時にはいつも土釜を通っていたのだけれど、立ち寄ったのは初めて。河川水で浸食された渓谷は美しく、また土釜橋もとけこんでいた。結構、お勧めの場所かも。

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合宿研修の間、天候に恵まれ、暑いくらいの日差し。学生たちも楽しくすごせたのではないかと思う。僕も楽しかった。

今年の合宿研修は、クラス担任の橋本先生と渡辺先生による企画。どうも御苦労さまでした。

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2008年12月25日 (木)

集中講義-広島大学

23日~25日,広島大学大学院国際協力研究科にて集中講義。「応用生態系論 (Applied Ecosystem Science)」

中越さん広島大学大学院国際協力研究科 教授)からの依頼で,大学院向けの集中講義。受講生は留学生ばかりで,ベトナムから2人,タイから1人,バングラディッシュから1人。

準備したトピックスは,大きくは1)最貧国の森林劣化の過程と再生の考え方,2)日本での森林や草地の状態と再生の考え方,3)人為的に改変された河川での植生動態と管理,4)湿地・マングローブの保全・再生適地の抽出手法,5)河童伝承にもとづく人と水辺環境の関わりの類型(水辺風土の把握)。

今までやってきたことの集大成に近いものだから,結構楽しんでもらえたのではないかと思う。レポートが楽しみ。でも,英語での講義はたいへん。。

1. Process of Forest Decline in Malawi, Africa

2. Land Use in Viet Nam and Policy for Forest Restoration

3. Strategic Ways for Restoring “Natural Forest”

4. Strategic Study for Restoring Grassland in Rural Japan

5. Interaction between Vegetation Dynamics and Hydro-geomorphic Process in Altered River System

5-1. Changed river conditions and expansion of woody plant communities on bars

5-2. Change of ecological process in relation to alteration of habitat formation process

5-3. Effect of hydro-geomorphic process to vegetation  dynamics

5-4. Effect of plant-community development to hydro-geomorphic process

5-5. Ecological and Hydraulic Factors Influencing Expansion of Invasive Plant Species, Eragrostis curvula, at Bar in the Yoshino River, Shikoku, Japan

6. Quantifying Habitat Loss of Hygrophytes in Regional Scale as the Base for Nature restoration

7. Potential Habitat of Mangrove Forest at Coastal Area of Iriomote and Ishigaki Islands in Ryukyu Islands, Southern Japan

8. ‘Kappa’ Folklore as the Key to Analyze Regional Difference of Human Perceptionon Waterside Environments

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2008年12月 5日 (金)

研究施設紹介

大学院講義「環境生態学特論」,13:00~16:00。学生による研究施設紹介,沖洲,マリンピアにて。

前回(11月7日)には学内の実験室を紹介してもらったが,今日は,環境衛生研究室が沖洲に持っている実験施設の見学。ここで,ナマコ等の生物を使った港湾内の水質浄化実験を行えるよう,大型の水槽に海水を直接引き込まれている。

今は実験は行われていないらしく,大型水槽では,ナマコ,ヒトデ,ウニ,ガザミ等が飼われていて,ここを訪れる小学生たちが手に触れらるようになっている。1年に1回ほど,こうした見学を実施しているとのこと。案内された学生たちも,触感を体験(触ることができない学生もいた)。

実験室前の岸壁から海中にカゴが吊り下げられていて,生物をトラップしている。学生がひきあげてくれたら,ハオコゼやガザミがはいっていた。楽しい。

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このマリンピア二は宮脇式の潜在自然植生による緑化が行われているところがある。ついでにそこを案内。見た目にはかなり立派な森林となっているのだけれど,高密度で植栽されてそのままにされるため,林内の樹木は“モヤシ”のようで,とても暗い。少し間引いて林床に光がはいるようにして,稚樹が育つようにすべき等,植栽してからの管理方法については様々な議論がある。

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2008年11月 7日 (金)

研究室紹介

13時~16時,環境生態学特論。

前回から今日までの間に,課題抽出のためのWSをやった班もあったようで,それぞれに前進している。身近な研究現場なのに,お互いにあまり伝えあう機会がないのは残念なので,今日は,メンバー間のバックグランドについての情報共有を兼ねてそれぞれの研究室の実験現場紹介。それぞれが「何をやっているのか」を専門外の人に説明する機会をつくることは,社会に出てからの合意形成の場での実践に役立つだろうとの考えもあって毎年実施している。実際,最近は行政にしてもコンサルにしても,何をやろうとしているのかをわかりやすく伝えるための機会・イベントが増えている。そのためのスキルを身につけておくことも必要だ。

聞き手側は,紹介者の意図がきちんと伝わるかどうかを確認して,改善すべき点を報告する。

学生は学部の実習でいくつかに触れたこともあるだろうけど,実際の研究の場で使われている状況を知らないものも多い。僕も他の研究室の施設に入ることはほとんどないから,いろいろ学ばせてもらえて楽しい。

せっかくなので,案内してくれた施設を紹介。

◆ コンクリート実験室

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 ↑ コンクリートの圧縮強度を測定するための装置。巨大な万力。

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 ↑ コンクリートの化学的劣化の測定。

◆ 地域防災(海岸)実験室

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 ↑ エダミドリイシサンゴの飼育。徳島県南の竹ヶ島というところでサンゴの自然再生に取り組んでいる。

◆ 衛生工学実験室(物質循環の実験)

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 ↑ 人工干潟を作り出す水槽。アシハラガニによる脱窒量の予備実験を行う。

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 ↑ 安定同位体元素の測定機器。これを測定することで,生態系の中で誰が何を食べているのかを推定することができる。

◆ 福祉工学実験室

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 ↑ 資格障害者にとっての見え方を測定する。天井の電気は色彩(波長)をいろいろに変化させられる。

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 ↑ 視覚障害者に振動刺激を与えて,画像の色を表現するための実験。白黒画像のものであれば,形を知覚させることができるのだそうだ。

 福祉工学の現場に触れたのは僕も初めて。地道な実験だけど,何か夢がある。

 紹介してくれた皆さん,どうもありがとうございました。

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2008年10月31日 (金)

講義

少しだけ,講義の様子を紹介.

◆ 大学院 環境生態学特論 12時50分~16時

生態系保全・修復のために必要な考え方や方法を紹介することを目的とした講義.受講している12名の学生の修論テーマは,生態系管理,建設材料,地域防災,福祉と様々.この多様性を活用して,皆が共有できる課題を抽出し,合意形成しつつ,それぞれの研究背景やスキルを活かして課題解決のためのプロジェクトを策定し,プロジェクト採択に向けた申請書を作成するという実践的講義.

前回の講義時間に試行したPCMワークショップは,途中で見事に崩壊.今日は,再度PCM手法を紹介した後で,2班にわけて,それぞれで中心問題を設け,課題を階層化する作業.これからそれぞれの班で方針・スケジュールを決めて進めていく.

ワークショップの進め方は,それぞれの班の構成員の個性が出て,見ていても楽しい.学生も楽しそうに議論を進めている.3ヶ月後にどのような申請書が作成されるのか..

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◆ 地域環境マネジメント演習 16時30分~18時,プロジェクト演習 18時~20時

どちらも3年生の科目で,学生の希望を調整して,地域環境マネジメントスタディーズを構成する研究室に分かれて演習を行う.僕のところには地域環境マネジメント演習には11人(留年してる2年生5人を含む),プロジェクト演習には9月から研究室に入ってきた5人が参加.

地域環境マネジメント演習では,旧美馬町を対象にして,DEMによる標高図の作成,植生原図のGIS入力,標高図や過去の植生図とのオーバーレイ分析といった過程をとおして,GISの基本的操作と解析手法を習得する.竹村(M1)がTAとしてリードしてくれている.

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プロジェクト演習は,学生自身が課題を発見し,その解決に向けた作業を共同で進めていくというもの.3年生が取り組もうとするテーマは「GISを用いた里地里山の類型化」.普段のゼミでの話題や僕との話をとおして選んだもの.

とはいえ,3年生にとってはかなり漠然としたテーマなので,何からどのように始めたらいいのかわからないみたい.当然だ.そもそも里山とはどのような場所で何が問題なのか,類型化した地図はどのような使い道があるのか.. そんなところから整理するための話し合いを行っていたので,課題抽出のためのワークショップ手法を少しだけアドバイス.

とても熱心に議論を進めていて,課題も少しずつ明確になってきているようだ.僕自身も,里地里山サブグローバルアセスメントや環境省の植生図利活用WGに関連して,小串さん,竹村(M1),宮本(4年)と一緒に同様の仕事を進めつつある.3年生とのディスカッションをとおしてヒントをもらえそうで,とても楽しみだ.

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◆ ミニ晩餐会

プロジェクト演習終了後,武知(M1)が上勝からもらってきたシカ肉を家で料理してきたということで,田代さん(特任助教)の呼びかけによるミニ晩餐会.プロジェクト演習をやってる間に,田代さんがおにぎりとかを買ってきてくれていて,武知はご飯をたいてくれてた.3年生,竹村,武知,田代さんが参加.

武知くん,田代さん,ありがとう.ごちそうさま!

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