委員会 等

2012年3月23日 (金)

生物多様性国際自治体会議 準備会

生物多様性国際自治体会議の準備会,22日〜23日、名古屋国際センターにて。10月,インドのハイデラバードで開催される生物多様性条約COP11、そして2010年のCOP10で採択された愛知目標を自治体レベルで支えるための会議。僕は、都市の生物多様性を科学・技術レベルで支えようとする国際ネットワークのURBIOメンバーとして参加。 

“City & Sub-National Biodiversity Summit” が、10月15日、16日に開催されることが決まったとのこと。けれども、インド政府と

Andhra Pradesh & Greater Hyderabad 地方自治政府の共催で行うこと、それをICLEIがプログラム作り等をサポートすることが決まってはいるようだけど、具体的な実行体制はほとんど決まってないみたい。大丈夫か。。

URBIOからは、第3回の国際会議URBIO2012を、10月8日〜12日にMumbaiで開催すべく、Prof. Haripriyaを中心に準備中である旨を報告。そして、インドから来ていた代表者に、URBIO2012と連携していただき、会議成果をインプットできる場を作ってもらえるよう依頼。とりあえず約束はしてくれたけれど、今の準備状況を考えるとどうなるのか不安。

22日の午後には、白鳥日本庭園へのエクスカーションとレセプションが準備されていた。レセプションには名古屋市長も登場。COP10の際に松本環境大臣(当時)が、議事採択の際に打ち鳴らした木槌が、生物多様性条約事務局から名古屋市に寄贈された。その木槌を囲んで、道家さん(NACS-J)や森本先生(京都大)と記念撮影。

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◆ 以下、URBIOへの報告メモ

Third Meeting on the Implementation of the Plan of Action, including a meeting of the Global Partnership on Local and Sub-National Action for Biodiversity and its Advisory Committee of Cities was held at Nagoya, Japan, March 22-23, 2012.

In the meeting, Mr. Sunandan Tiwari of ICLEI stated that “City & Sub-National Biodiversity Summit” would be held at Hyderabad, India, October 15-16, 2012. The Summit will be hosted and facilitated by Government of India, and co-hosted and co-facilitated by Government of Andhra Pradesh & Greater Hyderabad Municipal Corporation. ICLEI will act as program coordinator and organizer. Objectives of “City & Sub-National Biodiversity Summit” proposed by ICLEI are as follows:
1) Review the implementation of Plan of Action, taking stock of the main programs that have emerged as a result of, or in support of, the Plan of Action including ICLEI’s Local Action for Biodiversity and Cities in Biodiversity Hotspots Programmes, and the Singapore Index on Cities’ Biodiversity,
2) Review the implementation of strategies, by local government, sub-national government and others, in response to the Plan of Action,
3) Express intent and consensus on positions among political leaders at the local and sub-national levels in a declaration characterizing the Summit and advancing the Aichi/Nagoya Declaration on local Authorities and Biodiversity,
4) Contribute to COP11 through a show of local and sub-national level support for Parties’ Implementation of the CBD including a possible speaking opportunity for local and regional government at its high level segment,
5) Contribute to COP11 through support for any COP decisions that may complement and build on existing COP decisions on cities and sub-national governments for biodiversity,
6) Launch important initiatives such as Cities and Biodiversity Outlook publication and Cities in Biodiversity Hotspots Programme,
7) Provide a platform for the exchange of global local government expertise and experiences.

Prof. Morimoto, co-chair of URBIO2010, introduced that the 3rd International conference of Urban Biodiversity and Design (URBIO 2012) is being organized by the Indian Institute of Technology Bombay and will be held in Mumbai, India, October 8-12, 2012. Conference themes were also announced. Expectations to URBIO was expressed from the participants.

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2012年3月13日 (火)

剣山地域ニホンジカ被害対策協議会

第2回剣山地域ニホンジカ被害対策協議会、13時30分〜16時30分、西部総合県民局にて。

三嶺での被害状況や防鹿柵内の植生変化について。柵を張り巡らせた所は植生が回復してきているけれども,それ以外のところでは土壌侵食が激しくなり,場所によっては斜面が崩れているとろこも出ているとの報告。剣山山頂周辺では、捕獲により個体数の増加に抑制傾向が見られるとの報告も。
また、行政機関からは今後の自然環境関係事業の計画の概要について説明。

情報提供いただいた皆さん、ご参加いただいた皆さん、お疲れ様でした。皆さんに熱心なご議論いただいたため、3時間におよぶ協議会になってしまいました。

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◆ 剣山域でのシカ駆除、新たな展開。シャープシューティング。この方法だど、肉としての利用もしやすいのでは。。 殺すだけでなく、活用できれば少しは気持ちが楽になる。

◆ 一宇の剣山スキー場で準備が進められているシャープシューティングの有効性を検討するための実験。それに先立って3月20日(金)から4月5日(木)までの間、シカを音に慣れさせる為、爆音機がなるとのこと。

◆ 明日(14日)は午前中に環境審議会自然保護部会,午後から鳥獣部会のダブルヘッダーです。鳥獣部会では,パブコメの意見をふまえ,次期の特定鳥獣保護管理計画が審議されます。基本的にはシカの管理方針についての議論になります。午前中の自然環境部会は,徳島県生物多様性地域戦略の策定過程についての中間報告です。

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2012年2月28日 (火)

船窪のオンツツジ保護検討委員会

「国指定天然記念物・船窪のオンツツジ群落保護検討委員会」,13時〜15時、吉野川市山川庁舎にて。

3年前からのこの委員会,ようやく今日が最後。今年度は,オンツツジ群落を地元の小・中学校に環境教育の場として使ってもらい,その活動を核とした協働管理のしくみづくりを立ち上げいくための試みを,岸村さんを中心に行なってきた。ある程度の枠組はできたと思うのだけれど,来年度からきちんと離陸できるか。むしろ,来年度からが始まり。

でも,肩の荷が一つおりた。。

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2012年2月27日 (月)

環境省植生図 中国・四国ブロック会議

環境省が実施している日本全域の1/25000植生図作成に関する中国・四国ブロック会議。13時30分〜16時30分、岡山市コンベンションセンターにて。

今年度,中国・四国ブロックでは,広島県の中国山地周辺で植生図が作成されてきている。その作成手法として示されたのが,ブナクラス域(冷温帯)とヤブツバキクラス域(暖温帯)の地理的境界を,既知の指標種の分布からモデルを作成して示し,そして,その情報を使って両方のクラス域に出現する代償植生のアカマツ群落やコナラ群落の凡例を決定しようというもの。このような,GISベースでの植生図作成は論理的でとてもいいと思うのだけど,植物社会学の方々にはわかりにくいらしく,共通認識にしていくためにはまだ準備が必要。

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2012年2月 1日 (水)

環境省植生図の作成に係る技術手法検討会

環境省植生図の作成に係る技術手法検討会,東京国際フォーラム(有楽町)にて,10時〜12時。

日本の6割の植生図作成が完了。そして,今のところ平成37年まで係る見込みとのこと。。 残っている山岳地域等の作成をどのように行なっていくかが課題で,それを効率的に行なっていくための技術検討が必要。

僕からは,星野さん(東京農工大)のアドバイスのもと,M1の安東くんが担当して進めている,植生調査データを使った群集・群落識別種の統計的抽出と植生区分の評価を報告。二次林を区分するための識別種は,うまく抽出できない。遷移によって,時間的連続性の中で種が置き換わっていくためだろう。

就職が決まっている安東くんは,この3月まで。発表を聞いてくれた皆さんは,とても残念がってくれた。それだけ必要性と見込みがある研究ということ。さて,4月からどうするか。。

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2011年12月 9日 (金)

希少種保護検討委員会

希少種保護検討委員会、13時〜16時、県庁万代南会議室にて。

本来は、レッドリストの改訂に係る種の選定作業や希少種保護条例に基づく指定希少種の選定を進めている委員会。今日は、生物多様性とくしま戦略にインプットすべき内容を出してもらうため、進行を大田さん(阿南高専/生物多様性地域戦略検討委員会 小委員会 専門部会長/希少種保護検討委員会副委員長)に進行をお願いしてワークショップを実施。

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以下、本日のメモ。

1.啓発・教育と情報発信(含むマスコミ)による世論の形成
 教育対象:ほぼ全ての階層(小中高校生,教員,行政,一般市民)

①無知と無関心から来る悲劇
 〇全体的に適切な・正確な知識が普及していない
  ⇒何が,「適切」か?
   そもそも統一された「自然観」,合意された目標はあるのか?
   『生物多様性は(徳島みたいな)田舎そのもの』鳥のいない森に人は来ない
   地域として,どんな自然を求めるのか,合意・確認が必要ではないか?
   見えざる手により一方的に与えるのか?(規制的手法)
 〇「生物多様性」では,一般人はピンと来ない,見える化の重要性
  学校教育における自然教育が全然ダメ-教員教育の必要性
  分かりやすさは重要
  バーチャルを逆手にとった啓発手法の開発
・日本人の現実『子供の頃,動物園・水族館にはほぼ全員が行く.小学生の頃,自由研究はある程度する,博物館にも来る.中高から自然に興味を失い,バーチャルの中へ.成人すると資本主義に振り回され,興味はない』
・基本的に「生身の自然」は,3K(臭い,汚い,危険).だからこそ,征服してきた.世界的にも1960年までは,自然を征服することが善,そんなに急に人は変われるのか?
 〇「資本主義」に生物多様性保全をどう入れ込んでいくのか
  「生物多様性保護」で如何に利益を生み出すか?
  無関心層をどう振り向かせるか
  95%の大人は自然に振り向かないが,お金には振り向く「大義はなくても金が入れば振り返る」
  経済と対立しないWin-winの構築
 〇善意?の過ちへの対策 
  清流=ホタル=自然?
  ホタルの養殖・放流,外来種,養殖・クローン放逐(遺伝子撹乱),EM団子投棄

②知ろうとしない・知らないふりする行政の悲劇
 公共工事は相変わらず脅威
  市町村レベル-そもそも環境配慮しない
  県レベル-知っていても,法的規制がない,計画変更は不可能と押し通す
 「市は無知で壊し,県は知りながら壊す」「まだ県は相談があるが,市町村は無い」
 地方公務員の募集枠に「自然環境」部門がないのが致命的,かたや「土木」は高卒でもなれる

2.自然エネルギー(風力発電)や防災の大義にどう対応するか?

3.人工物への再認識
 「自然の摂理」は幻想,自然倫理観の確認
 人工物と生物の共存を考えるべき
 コウモリの営巣地(人工洞窟),大潟のシオマネキ(人工干潟)

4.とくしま生物多様性センター(仮)の必要性,もしくは,どこがこの役割を担うのか?

 ①啓発・教育・研究の核として「自然への入り口」が必要
   徳島にどれだけ生物がいるのか?それさえもすぐ分からない
 ②情報・相談のワンストップサービス-「自然環境で困ったら多様性センターへ」
 ③とくしま生物多様性センター(仮)の機能
   〇希少種情報と公共工事
     希少種情報の一元管理,情報公開
     公共工事情報の一元管理,情報公開
     ホットスポット情報の一元管理,情報公開
     環境配慮へのアドバイス
   〇環境教育の核,アドバイス
   〇『普通種』情報の蓄積・管理(啓発への利用,市民調査)
   〇先人の知識の継承,頑張っている保護活動家への応援
   〇市民―行政―専門家の連携構築
   〇標本収蔵施設が危機的に足りない
   〇自然史研究の核として
   ⇒かなり高度なマネジメント力が必要!
 なお,予算はすでに破綻している
 行政に期待は出来ない
 赤字が出ない程度の予算を確保する必要がある

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2011年12月 5日 (月)

生物多様性評価の地図化

(財)自然環境研究センターが環境省からの委託により進めている「生物多様性評価の地図化業務」に関するヒアリング。13時〜15時20分、環境省にて。

「平成22年5月に公表した生物多様性総合評価に続き、全国の生物多様性の状況や変化を地図化するもので、昨年度より検討会を開催している。そして、地方公共団体で生物多様性地域戦略を策定する際や、実際に保全活動を 実施する際にも活用され得るものにしていきたいと考えているので、現在作成中である各種評価地図などに関してヒアリングしたい」との依頼による。

ちなみに、生物多様性総合評価の成果は2010年5月に公表されており、報告書の全文が環境省のサイトからダウンロード可能。  

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以下、今日のメモ。僕の名前(鎌田)が入っていない発言は、環境省あるいは自然環境研究センターの方からの発言。

1.評価地図
(1)Satoyama Indexについて
・我々も作成しており、1kmメッシュ内の農地、森林、宅地で多様度指数(Shannon-Wienerの多様度指数)を求め、日本全体の多様度地図を作成した。里山100選や里山モニタリングサイトの選好性と合わせるとH>0.6を里山地域として抽出できることがわかっている。農地だけよりはこちらの方が良い。(鎌田)
 →元々は世界を対象に、二次的な自然がある場所を抽出する際に用いた手法を採用している。
 →里山イニシアティブでは、里山を宅地と農地と森林がモザイク状にあると定義している。その定義に従い構造から分析するのであれば、森林を入れた方がよい。(鎌田)
 →1kmメッシュでも解析は可能である。土地利用は、国交省の100m細分メッシュを元
にしている。データを提供することはできる。(鎌田)
・里山地図がたくさん出ているので、これを機に環境省としての里地里山の定義を決めた方がよい。里山の定義も時代によって変わってきている。SATOYAMAイニシアティブが区切りだと思うので、これに合わせるような形で再整理する必要がある。(鎌田)

(2)無居住地化地図について
・流域単位で撤退できるのであれば、そこにある砂防ダム等の生態系過程を妨げる人工構造物を撤去した上で撤退すれば、生態系は自然の過程によって修復されるはず。課題はシカで、どのような影響が出るかわからない。(鎌田)

(3)重要な沿岸生態系について
・干潟から海に近いところがかなり抜けている。
 →シギチを出しているが、それだけで良いのかという問題がある。シギチが来るところがなぜ良いのかの、説明の仕方が重要。
 →シギチがどのような環境を指標しているのかを、しっかり示す必要がある。また、その変化やポテンシャルが高いがいない場所の意味を見極め、修復する手法と目標を示す必要がある。ポテンシャルマップは今後どのような施策を取るべきか(保全か再生・修復か)を考えるための地図である。(鎌田)
 →熱心な企業は敷地に緑地を作ったりしているので、ポテンシャルマップは、どういった場所で再生をしたらよいか判断する材料になる。
 →徳島は徳島ビオトーププランを作っている。自然林の距離が短く、連結しやすい場所などを示している。企業にとっては、そのような行政の方針を示した地図があった方が活動しやすい。(鎌田)

(4)絶滅危惧種関連の地図について
・調査努力量の問題がある。できればポテンシャル図にした方がよい。(鎌田)
・絶滅危惧種のⅠ類Ⅱ類が入っているが、全て同じ重みでよいのかという問題がある。KBAは良い手法である。(鎌田)
 →KBAと同じデータを使っている。KBAは植物が入っておらず、淡水魚に引っ張られる。

(5)シカについて
・出猟カレンダーのデータを元にすると良い。兵庫県や徳島県では、出猟カレンダーを元にモデルを作成している。(鎌田)
 →時間スケールを入れた方がよいのか。
 →3時期のデータがあるが、場所によって拡大速度が異なる。
 →細かいデータが必要となるので、地域で個別に作った方がよいだろう。(鎌田)

(6)アライグマについて
・このへんから対策をとらないといけないということを示している地図なので、移動可能性が大小という表現はよくない。これを見て自分のところは安心だと思われても困る。(鎌田)

2.竹林
・環境省の植生図を元にしているが、植生図では竹林が抽出されていないことがあり、島根では竹林が存在しないことになっている。モデルを作成してポテンシャルマップを作成したので、これであれば感覚的に合う。(鎌田)
・都市の人は竹林を切りたがっている。東京から伊豆まで切りに行っている団体がある位である。人手のある都市と人手のない地方とでは、竹林拡大への施策としての対応の仕方が異なる。徳島では誰も興味を持っていない。(鎌田)
・人口減少が著しい場所での、竹林拡大への対応は大変である。大分の竹灯りプロジェクトを行っているが、ボトムアップの対策が必要である。(鎌田)

3.窪地
・環境省の仕事で水草ポテンシャルマップを作った。RDBメッシュデータを使用し、10kmメッシュで解析した。分布メッシュが重なる種群をグループ化し、グループ毎に地形と気候条件をパラメータとして推定した。窪地(10mDEMデータから作成)がけっこう効いていた。窪地マップを作ると良い。(鎌田)
・東北大震災の津波の後に水浸しになった場所は、窪地マップとぴったり合っていた。生態系の調整サービスや防災計画を考慮し国土計画を作る必要があり、このような視点を徳島の戦略に取り込みたい。(鎌田)

4.カルテ
・Viewerソフトを一緒に提供できるとよいだろう。(鎌田)
・国有林と私有林を分けた方がよい。また、県の保護区もわかるようにした方がよい。色々な保護区があるが、どこまでを保護区とするかは整理が必要である。(鎌田)

5.全体
・国交省も生態系ネットワークに関する業務で同様の地図を作成している。国交省と連携して進めるべきである。(鎌田)
 →国交省の担当には検討会に出席してもらっている。データや地図の更新を考えると環境省だけでは無理である。
・地図を使うユーザーをどこに設定しているのか。(鎌田)
 →環境省を主に考えている。自治体も想定しているが、このスケールだと難しい場合もあるので、使えるものは使ってもらうということを考えている。地域によっては細かいデータがあるので、地域に応じて考えてもらえれば良い。徳島であればこういう特徴があるので、こういうものは守って欲しいということが見えてくれば良いと考えている。
・ポテンシャルマップ作成を躊躇していた理由は、希少種の保護をする時に、分布が確認されていないがポテンシャルの高い場所に、保護の網をかけることはできないからである。再生を考える際にポテンシャル図を使用できると考えている。
 →ポテンシャルマップは再生・修復の効率化のために使用するべきもの。ポテンシャルが低い場所に再生の労力を投入すべきではない。またポテンシャルが低い場所を保護するというのは意味がない。かつての状態がわからない場合が多いので、土地利用のパラメータを入れずにポテンシャル図を作成し、土地利用がパラメータに入った時に、リスクがどう上がるか比べられるような地図の方が使い勝手が良い。(鎌田)
 →ポテンシャルマップは、環境の指標性が高いものについて作成すべき。例えば生態系別(森林・里地・水辺など)ごとに指標種(群)を出して、そのポテンシャルマップを作成して生態系のモニタリングにつなげるのが適切。(鎌田)
・国のデータは全てが同じ精度ではない。そこからあがってくるデータを演繹的に使えるようにするかが、情報の加工技術としては重要である。今までその手法がなかったが、新しいモデルができているので、様々なことがわかるようになってきた。(鎌田)
・生態系別に、指標性も含め環境と対応する種群を抽出した上で、分布マップをタイプ別に作成しないと、使う側としては困ってしまう。エコリージョン区分とそれを指標する希少生物群を対応づけることができれば、モニタリングにつながる。(鎌田)

6.その他
・マングローブのポテンシャルマップを作成した。70年代に中須賀先生が調べた分布データと環境省の分布データを元に、生育しやすい湾を抽出した。資料が見つからないため、後日送る。(鎌田)
・モニ1000や1/25000植生図の使い方を示していく必要がある。(鎌田)
・日本の湿地500は基礎データとして重要であり、ポリゴンデータをダウンロードできるようにすべきである。指定するだけでは駄目である。(鎌田)
・自然環境データが多様性戦略にこう使われているというのを示す必要がある。(鎌田)

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◆ 羽田着。午後から霞ヶ関、環境省で「生物多様性評価の地図化に係わるヒアリング」。その後、夕方から新橋で「環境省 植生図」の修正方針についての打合せ。使える地図について考える一日。さて、ユーザーはどんな人?  国土管理としての生態系管理とは?  管理主体と担い手は? 11/12/05 11:22

◆ 日比谷公園,紅葉がきれい.通りすがりの人たちが足をとめて写真をとっていく.都市の中の生態系サービスか. 11/12/05 12:34

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2011年11月28日 (月)

徳島県生物多様性地域戦略検討小委員会 専門部会

徳島県生物多様性地域戦略検討小委員会 専門部会、9時〜12時、徳島大学建設棟小セミナー室にて。

生物多様性とくしま戦略策定のために、環境審議会自然環境部会の中におかれた小委員会。今日は、研究者等の専門家の集まりとしての専門部会。

<専門部会のミッション/鎌田提案>
1)生物多様性とくしま戦略タウンミーティングで抽出された課題の整理・構造化
2)生物多様性とくしま戦略に反映すべき課題・対策と科学的根拠
 ・日常的およびプロジェクト研究成果の反映
 ・それぞれが関わる県委員会での課題
3)課題解決のために必要なこと
 ・専門家の役割
 ・「褒める」ためのしくみ
 ・大学、行政、市民、企業のパートナーシップのあり方
 ・生物多様性の主流化に向けての取り組み  など

<検討メモ>
1.これまでの経緯
 とくしま地域戦略検討小委員会の中で検討することになる。環境審議会の中で要項を設置して進めていく。総合部会と専門部会の2つに分かれている。総合部会は、主に事業者側の委員会として事業者の立場から検討していく。
 生物多様性とくしま会議からの提案書では、愛知ターゲットの方針をふまえること、市民との双方向性を担保すること等が提案されている。 
 タウンミーティングの実施を8月末から10月に県内9カ所で実施してきた。それぞれの地域で何を守っていきたいか、また課題は何かということについて5000近い意見が上がっている。戦略を検討するために、「生物多様性とくしま戦略策定連絡会議」が設置されている。小委員会では、ここで提案していくものを作らなければならない。希少野生生物保護検討員会の委員としての意見をも加えていく。

2.専門部会で検討すべき内容(自由発言) 
 ●大きな柱となるのは、提案書とタウンミーティングの意見。特に市民提案書の位置づけを明確にする必要がある。次回の小委員会で議論すべき。
 ●総合部会の中に漁業関係者をいれるべき。
 ●消費者団体や生協など消費者側の代表の選定も必要。
 ●市民からの提案書やタウンミーティングでは抽出しきれていない課題がある。外来種の問題など。
 ●過去からの環境の変化(劣化した生態系)を抽出する必要がある。ベースラインをつかんでおくべき。
 ●生態系サービスは何かというものを可視化しする必要がある。
 ●来年3月くらいには、共有化のための勉強会やシンポジウムが必要。あわせて、マスコミへのアピールも必要。
 ●新しい施策と従来からの施策とがある。
 ●市民側との情報交換を円滑にやらねばならない。
 ●PCM手法で生物多様性をとりまとめていくのがよい。
 ●とくしま会議の中でPCMをしたらどうか。
 ●泥くさく市民が参加できるものにしたい。
 ●専門家として地図、基盤図をどこまで出せるのかを検討していただきたい。
 ●とくしまビオトーププランは企業にとって役立つはず。事業者が使える県の方針書としての位置づけていく。
 ●研究機関の横の連携(ネットワーク)も作っていく必要がある。
 ●レッドデータブックの種との整合性が必要。
 ●戦略の目次(構成)をつくる必要がある。
   ・はじめに
   ・目標(長期、短期
   ・現状と課題
   ・行動計画   

3.専門家としてできること
 ①淡水魚、汽水性ハゼ類、水辺植物のホットスポットマップの作成
 ②魚類の生物相の成り立ち とくしまの自然の成り立ち
 ③環境省環境基盤調査(2回~5回)からの変化と現状
 ④タウンミーティングとの意見・課題集約とのつなぎ
 ⑤森林配置計画についてのベースマップづくり
 ⑥環境省の植生図を用いた植生や土地利用の変化
 ⑦カモシカ・シカ遺伝的多型(山城) 
 ⑧政策への反映提案。

4.必要とする資料(行政各課に要請)
 ①保護区の現状 (今までの成果をGISデータで反映させられるか)
  ②過去の環境モニタリング(環境配慮指針等も)
  ③今後の開発計画
  ④県下の人口予測
 ⑤文化的景観情報
 ⑥被害データ など

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2011年10月12日 (水)

「みなみから届ける環づくり会議」の幹事会

午後、「みなみから届ける環づくり会議」の幹事会。徳島県南部域の地域環境の改善活動を行う協議会。4部会(交通部会、竹林部会、水質部会、協働部会)から、活動について報告、情報の共有。そして、環づくり会議全体としての目標の再確認。全体をどうやってマネジメントするか。

協働とは”つながり”の維持と強化。それを継続するための事務局は誰が担うのか。誰がどのように費用負担するのか。環づくり会議での、今日のワークショップ課題。 

協働を支える事務局には、高いマネジメントスキルを持つ人が必要なのだけれど、社会ではその人の重要性が認識されていない。僕たちがするべきことは、まずは、そうした職能の見える化。そしてそのサービスに対して、正当な対価が支払われる仕組みづくり。そして、そのような社会マネジメントに関する知識の伝達とスキルの養成は、大学教育の中でも必要。そのようなことを考えながら、チャレンジ。

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2011年9月18日 (日)

吉野川源流の森 森の健康診断

10月2日に高知県の本山町、大川村、土佐町で実施する森の健康診断。水資源機構のバックアップにより、吉野川の水を享受している徳島、香川の下流域住民を集めて、源流域の人工林を調べながら、自らが森の状態に気づいていくためのしかけ。上勝町、千年の森ふれあい館の原田さんのマネジメント。

今日は、実施に向けた打合せ。13時30分〜17時、徳島大学にて。

9月4日と15日にはリーダー勉強会が上勝町で開催され、チームリーダーの養成が行われた。現在の申込者数は、一般参加者、リーダー、スタッフを含めて、徳島、香川両県から63名とのこと。当日は、1チームが2地点、計18地点での健康診断を予定。僕たちの研究室のからは、学生2人がサブリーダーとして参加。

スケジュールや配布資料の確認、当日のスタッフ役割分担について。会場設営、看板設置、駐車場係、受付、開会挨拶、全体進行、趣旨説明、閉会挨拶、本部詰め、など。

健康診断実施後のデータのとりまとめなどが僕たちの研究室に期待されている役割なのだろうけど、実施後のスケジュールについては何も決まっていない。この活動のゴールや、それに至るロードマップも共有されていない。第1回の森の健康診断の実施後の早い段階で、それらを話し合い、共有していくためのミーティングが必要。

生物多様性とくしま戦略タウンミーティングを動かしているこの期間、僕自身の動きをつくるのも結構たいへん。。 10月2日の森の健康診断当日は、僕には大きな役割はないみたいなので、阿南市で開催される、まち・里に関するタウンミーティングへの参加を選択。

森の健康診断を始め、様々な地域で協働で取り組まれている活動を、生物多様性とくしま戦略の中で関連づけて連携していけるようにすること、情報を共有して皆が使えるようにすること、そのための仕組みを考えることが僕の課題。

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