シンポジウム・講演会 等

2012年2月26日 (日)

「都市の生物多様性」に関する研究会&フォーラム

森本先生(京都大)の主催による、「都市の生物多様性」に関する研究会&フォーラム。10時〜16時30分、京都大学芝蘭会館(別館)にて。

午前中に「都市の生物多様性指標」に関する研究会,午後から「都市の生物多様性フォーラム」。午後のフォーラムでは,京都市や名古屋市の生物多様性地域戦略の策定や指標の用い方について,また,パナソニックの取り組みについて紹介された。僕は,徳島での取り組みについて紹介。

URBIO (Urban Biodiversity and Design) Network代表のMuellerさん (Erfrut大学,ドイツ)とも久々にお会いして,楽しい時間。2年前,名古屋でのCOP10開催前に,その第2回国際会議を開催して以来。

今年のCOP11開催直前に,インドのMumbaiで第3回国際会議を開催することになっている。その後の事務局体制など,僕たちのグループに期待しているようなのだけれど,今の体力では少し難しいな。。

■都市の生物多様性フォーラム:13:20―16:30

2010年に開催された生物多様性条約COP10では、生物多様性の保全とその恵みの持続可能な利用に向けて、都市の果たすべき役割がクローズアップされ、また自治体や民間を含む多様な主体の連携促進が求められました。都市における取組みのためには、その現状の把握と評価、これからのシナリオの検討が必要とされています。今回、URBIO(都市における生物多様性とデザインに関する専門家の国際的なネットワーク)代表のミューラー氏をお招きして、世界最初の「都市の生物多様性概況(CBO)」プロジェクトなど最近の状況について、ご講演いただくとともに、我が国の取組みについても情報交換し、評価指標のありかたやCBOのキーメッセージについての議論を深めたいと思います。

・開会の挨拶:森本幸裕
・基調講演:N.ミューラー(URBIO代表、エアフルト大)
 「都市の生物多様性概況」は何を目指すか
・話題提供
 1)宇髙史昭(京都市) :京都市地域戦略策定に向けてー身近な自然度調査から考える
 2)飯田慎一(パナソニック):生物多様性と地域連携
 3)髙木俊孝(名古屋市):生態系サービスの見える化に向けて
 4)鎌田磨人(徳島大):人と自然のネットワーク
・討論
 コメンテータ;香坂玲(名古屋市大)、加藤正嗣(なごや環境大)、古田尚也(IUCN)、伊東啓太郎(九州工大)、今西純一(京都大)、浅枝隆(名古屋大)、夏原由博(名古屋大)
・まとめと閉会のあいさつ:小林達明(千葉大)

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2012年2月12日 (日)

第3回 生物多様性協働フォーラム

第3回 生物多様性協働フォーラム、兵庫県公民館(神戸)にて、14時〜17時30分。400人の参加、大盛況。

菊地さん(結・社会デザイン事務所 / アミタ)が紹介された、一つ一つの企業が関与して保全していく1種もしくは1生息地を決めて、活動していくという方式には、とても感銘を受けた。こんな活動が、徳島でも広がっていかないかな。

以下、メモ。

● 山西(大阪自然史博物館)
大阪市での地域戦略づくりについて、審議会が答申。策定過程では、大阪自然史博物館が協力。

● 中瀬(人と自然の博物館)
行政の仕組みを利用した企業の森づくりについて

◯ 民産官学の目標
 保全
  兵庫:戦略、生物多様性指針?
 防災・減災
  災害に強い森づくり
 文化の保全・創造
  里山、都市山(六甲山)
  県民の参画と協働の促進に関する条例

 企業が参画する際の課題
  情報・知識の不足
  活動メニュー(場所の確保)
  外部会館との連携

 博物館による企業の参画支援
  調査研究、学習支援、コーディネート(ボンディング、ブリッジング)

◯ 企業と森づくり
 企業の森づくり事業
  緑化推進協会・兵庫県
   ひょうご森づくりセンター
    コーディネート、プランニング、トレーニング、アクション

 企業の森・里づくり事業
  丹波県民局(事務系職員) →地域住民、ひとはく、企業 委員会
  農山村地域の環境問題の解決
   企業と小地域(集落)のマッチング
    →企業職員の福利厚生の場
     都市・農村の交流

 尼崎21世紀の森づくり

 企業緑地の活用
  絶滅危惧種の保全

 三星ベルト
  ひとはくでの職員研修
  神戸市側の小学校にはすべてビオトープができた
   市民NPOのサポート
   三星ベルトによる資材、技術・人材サポート

 ミツカン酢
  食品工場のまわりに里山造成

◯ 消費者
  生物多様性に係る消費者の価値観
  エシカル(倫理的)消費、CBRM

● 菊地(結・社会デザイン事務所 / アミタ)
 丸紅→ アサザ基金→ 鷲谷研 コーディネート

 滋賀県の生物多様性活動= 地域の強みを引き出し、もり立てていくこと
  琵琶湖という環境アイコン
   琵琶湖いきものイニシアティブ 滋賀経済同友会 10項目の宣言
   滋賀県は中小企業が多い
     → 1企業1種もしくは1生息地への関与
     → 持続可能な一次産業の支援
   企業も地域社会の一員としての認識
   湖南企業いきもの応援団

 kikito (湖東地域材循環システム協議会)
  淀川水系1400万人のいのちの水を育む「琵琶湖の森」
  kikitoマーク、QRコードを使ったトレーサビリティ
  kikito paper 端材の買取、オフィス用紙として加工

 たかしま生きもの田んぼ・ライス8アクション
  特定のいきものをシンボルとしてブランド化は行わない
   → 各農家が自慢の生き物を設定。米穀店からの申し出、「打ち上げの一部 8円/1kg を、生き物との共生を目的した活動の支援に」。

● 山田(ブリヂストン) 
ブリジストンびわ湖生命(いのち)の水プロジェクト
 地域での環境保全活動の中で企業の果たす役割
 環境宣言 社会活動としての位置づけ
      地域の一員としての会社、地域の人々と結びついた活動

 2004年〜2010年 WWFジャパンとの共同プロジェクトとして開始。WWFによる基盤づくり。
 2011年〜 
  ・自然観察会
    70〜80名/1回
     5〜6名の従業員がスタッフとして参加
       +琵琶湖博の協力+地域の方々のサポート
  ・絶滅危惧種繁殖に観する研究活動支援
    ビオトープ(びわトープ)を造成
    カワバタモロコの繁殖研究支援(三重大)、環境教育
  ・琵琶湖博物館常設展示の支援

 滋賀県知事からの感謝状

 企業が果たせる役割
 1.地域社会への積極的な参画
 2.課題の共有と期待される役割の確認
    それぞれのセクターができること(役割)を確認することが重要
 3.リソース(従業員、事業所、PRなど)の有効活用

● 対談:井戸兵庫県知事、嘉田滋賀県知事
   進行:岩槻 人と自然の博物館長
◯ 井戸
 関西広域連合(2府5県);地方自治法にもとづく(EUモデル)
 1.関西全体として取り組むべき仕事
    防災、観光と文化振興、産業振興
    環境保全 (例えば、カワウ)
    広域医療 860回/1年(特に山陰)
 2.国の事務を引き受ける(地方自治、地方分権)
    国に任せると標準的・画一的な思想での施策となる
    戦後復興の時にはよかったが、今の時代の価値観にはあわない
 3.地方が主体的となるしくみを創り上げる
    今までは国に対して要請だけしていた

◯ 嘉田
 滋賀全体として広域連合だ、という雰囲気にはなりにくい(大阪等に集中して、他は切り捨てられるのではないか)。この中で、環境はまとまりやすいかも。

生き物の多様性およびCO2対策
 関西の生物多様性は文化の多様性とセット
 1)2030年にどうあるべきか
 2)どのように持っていくか
 3)具体的な施策

 対立型社会モデル:自然の囲い込み
 重なり型社会モデル:自然を使いながら守る

 多様性の危機
 1)人間活動や開発による危機
    ダム開発など 琵琶湖総合開発
 2)人間活動の縮小による危機
    里山 マツタケ
    セタシジミのシジミ掻き(とればとるほど酸素が供給される)=里海
 3)人間に持ち込まれたものによる危機
    シカ(兵庫12万頭、滋賀25000頭、もっと)
    カワウ
    ブラックバス
 4)地球温暖化の危機

 関西が目指すべき姿(2030年頃)
 目標:地球環境に対応し、持続可能な社会を実現する関西(環境先進地域)
    ・CO2半減(ウランや石油等、いずれ枯渇する資源に依存しない)
      →滋賀では条例をつくった

 自然と触れ合うことによる価値
 食文化と風景

 生物多様性の 使用価値、触れ合い価値、存在価値 をセットとして皆で享受しながら、将来に伝える。すべての山と川がセットで価値を持っている。

 まずはカワウ対策
 ニホンジカ、アライグマにどう拡げるか

 博物館ネットワークを利用した情報共有
  生物多様性に関する情報の共有・一元化
  うおの会→3000箇所での調査
  報告書印刷など、ブリジストンや経済同友会が支援

◯ 岩槻
 災害と生物多様性 標本のレスキュー
  → 西日本自然史系博物館ネットワークが機能
  → 館長同士のみならず、担当者同士が直接やりとりをしていたこと

 兵庫県での生物多様性に対しての対応は?
  森林動物研究センター
  防災に対応する森づくり ←緑の環境税

◯ 井戸
 シカ 30000頭/年 駆除 5年間で平衡水準になるだろう
 限界集落での言葉:黒い森が集落に迫ってくると危ない=手入れされない人工林=災害に弱い森
 新兵庫の森づくり 間伐を公費でやってしまう
          里山に人が入れるように 10000ha
          森林ボランティア 10000人
 県民緑税 800円/1世帯  企業には1割上乗せ  5年間で100億円
  → 8年前の豊岡等での水害経験がきっかけ
  → 傾斜度30度くらいの人工林には間伐をして根本に土砂くずれ防止柵
    広葉樹の混在化
    里山(裏山)の整備
    集落周辺にバッファーゾーンをつくり、奥山に広葉樹林帯をつくる
 森林動物研究センター
  →野生動物との共生空間をどのようにつくるか、に対しての科学的根拠
   シカ分布状態の把握
  →人と接点を持つ場合には、どのような方法がいいのか
  →研究者と林業普及員を配置
    林業普及員は全員がセンター職員を兼ねてくれたらいい
    森林保安官としての仕事

◯ 岩槻
 生物多様性戦略 
  企業をはじめ様々なセクターの人が関与するようになった
  県のみならず、様々な市町村、集まりで戦略ができていけばいい

 近畿圏全体としての推進は?

◯ 嘉田
 住民参加の生き物調査が一斉にできる時代 GPS携帯など
  マスコミの協力があれば進みやすい
  コウノトリが好きな魚さがし
 国の出先機関のまるごと移管
   国交省、通産、環境省 → 利水・治水・環境セットでのガバナンス

◯ 井戸
 兵庫県 策定済み 神戸と明石、  検討中 。。
 コウノトリの野生復帰PJ
  =コウノトリが生息できる環境をつくれるか
   →地域の人が有機・無農薬農業を推進してくれるかどうか
   →自然護岸の川、湿地帯を回復できるか
   →アカマツ林を回復できるか
  「コウノトリを育むお米」→TPP対策の一つに位置づけられないか
               中国への輸出

◯ 岩槻
 都市近郊の里山は関心が高まりいい方向に進みつつある
 中山間地域の里地里山をどうするか
  北摂まるごとミュージアム
 国内向け里山イニシアティブが必要

◯ 嘉田
 二つの意味を意図的にもたす
  1.Forest 森
  2.広義の里山 琵琶湖全体

 問題はシカ。獣害。
  カンアオイが食べられてギフチョウがいない
  トチの実がならない(ミツバチの減少)

◯ 岩槻
 フォーラムへのコメントは?

◯ 井戸
 小学校3年生 少なくとも年3回は自然の中に出かけて、体験し、命の不思議さを感じてもらうようにしている(カボチャの栽培)。5万人の子供たちが参加していることになる。
 子供たちが種を播いたあとのサポート体制が重要。

◯ 嘉田
 関西ネットワークの人材がいることの安心感
 広域連合にはいることによって、他の自治体の良さを学べる
 職員が他流試合をしながら
 次は上流の琵琶湖で。。
 下流の子供たちにも湖上体験を。船をつくりたい。。

● 渡辺(環境省)
 120を超える自治体が生物多様性自治体ネットワークに加入
 地域からのボトムアップによるしくみの大切さ

 知床世界遺産に係る仕事をしていた時の、「自然を守ることの重要性は自分たちが一番よく知っている」という漁師の言葉が心に残っている。全国の国立公園レンジャーが、地域と一緒に協働型の管理システムをつくれるようしたい。そして、新国家戦略と地域戦略が相互に響きあうような関係になれば。

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2012年2月11日 (土)

みなみから届ける環づくり会議シンポジウム、子供たちと進める環境保全

「第4回 みなみから届ける環づくり会議シンポジウム、子供たちと進める環境保全」。13時15分〜15時15分、阿南市文化会館夢ホールにて。

第1部は、環づくり会議の4つの部会から、1年間の活動報告。1)公共交通の利用促進に向けて、2)「竹の駅プロジェクト」の実施、3)住民参加のきっかけを求めて。4)子供たちと考えたい、水の大切さ。

第2部では、阿南市内に工場を持つ日本電工、王子製紙、日亜化学と小・中学校が連携して行なった環境教育活動の成果を、橘小学校、阿南第一中学校、富岡東中学校の生徒たちが発表してくれた。

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橘小学校


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阿南第一中学校


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富岡東中学校

そして、富岡東中学校からは、今後の活動に向けた提案も。
「みなみから届ける環づくりクラブ」をつくって、活動を広げていくという。すでに実施計画まで作られていた。環づくり会議の活動の、素晴らしい成果の一つ。

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2012年2月 4日 (土)

NACS-Jシンポ「みんなでつくる生物多様性地域戦略」

NACS-Jの主催によるシンポジウム「みんなでつくる生物多様性地域戦略」、10時〜17時、フクラシア浜松町にて。全国から150人ほどの方が集まってきていた。
僕からは「市民団体と研究者によるワークショップと提案づくり」と題する発表、徳島での地域戦略の策定過程について。

以下、メモ。

● 渡邊綱男(環境省自然環境局長)
現在24の自治体で戦略策定、54で策定中。黒内松町では、生物多様性祭りを開催し、地域に成果を報告して、地域の人が地域の未来を考えるしくみを作っている。
震災復興では、環境省としては生態系サービスを基礎にした国土づくりを基軸にし、 その旨を「生物多様性国家戦略」に盛り込む予定。
後で渡辺さんと話した際に、徳島の地域戦略づくりにはとても期待している、とおっしゃっていた。その言葉、徳島のみんなに、直接伝えてもらえれば、もっと勇気づけられるかも。何とかチャンネルをつくろう。

● 亀山章(東京農工大名誉教授、NACS-J専務理事)
地域づくりの視点 多様な主体が、「生態系サービスが地域の財産」であると認識し、それを活かしていくこと。
 生態系サービスをどのように見える化するか、が重要。
  ・地域の固有性の評価
  ・自然は歴史的文化財
 そして、エコロジカル・ネットワークの視点

● 中村俊彦(千葉県生物多様性センター・中央博物館・自然保護協会)
白米ごはん vs 雑穀ごはんを例にして、どちらが生物多様性が高いかを問いかけ。生態系サービスの見える化の一例。雑穀ごはんは“多様性ごはん”。

 生物多様性の意義(人間にとっての価値)
  ・生物の価値
  ・人間にとっての価値安定性、可能性
 県戦略策定の3つの視点
  ・地球温暖化と生物多様性を一体的にすえる
  ・多様な人々の生活なりわいの視点
  ・実現可能性
 戦略実現のために、生物多様性センターを設置。

● 河野耕三(宮崎県綾町企画財政課)
綾での46年間の取り組みについて。綾町はの人口は7800人。人口減は一応とまったが、そのために対策補助金をもらえなくなった。
1966年から、自然と共生する取り組みを行なっている。その核となるのが、 照葉樹林文化論を中心にしたまちづくり。森林法に基づき、町有林を「生物多様性保全林」を指針として経営、「自然生態系農業推進に関する条例」の制定、「綾町の自然を守る条例」などの施策や、「酒泉の杜」を設立し、酒造りを生態系サービスの象徴として経済効果も狙っている。現在は、MABのBiosphere Reserveの設定すべく活動しているが、MABに対する認識・理解のなさ、ゾーニングに対する不信感、運営体制・組織など、いろいろと課題もあると言う。キーパーソンは前・現町長で、町民からの理解は余り得られていないというが、ユニークな施策を推進しているこの町、一度、訪ねてみたい。

● 佐野郷美(市川緑の市民フォーラム事務局長)
市川市では、「市民政策提案制度」を持つ。市民が政策提案できるというもので、この制度を全国で5−6の市町村でしかない。市川緑の市民フォーラムが中心となって、エコロジカル・ネットワークの形成を提案し、採択された。
この制度、面白い。

● 窪田達央(長野県自然保護課)
長野県での生物多様性地域戦略についての紹介。「必ずしも政策的・社会的に最適かつ不可欠なものとして提示するものではない」としながら、危機への対応のための選択肢が示されている。これが行動計画にあたるのだろうか。施策体系は、「知る」、「守る」、「活かす」、「広める」、「つなぐ」が基軸となっていて、環境教育の発展版みたくて、わかりやすい。その実現に向けて「信州生物多様性ネットワーク」を設置して、地域連携・協働促進プロジェクトを進める。長野県には環境保全研究所があるため、これと連動させることで、生物多様性センターの機能をもたせようとしているように思う。読みやすさ・ストーリー性にかけたことが、策定上の反省点。ライターの必要性を説いておられた。僕もそう思う。

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● 乙幡千枝実(千代田区環境安全部参事)
千代田区、皇居を中心としたオフィス街での取り組み事例。温暖化対策としては、2020年までに25%削減することを目指していて、環境モデル都市となっている。
都市で、なぜ生物多様性に取り組むか。それは、「人間生活の利便性を最優先にしたまちづくりをこれからも続けるのか」という街づくりへの根源的な問いかけ、そして、「皇居やお濠の豊かな自然に対しての関心の低さに対する反省、そして、「何もしなければ人間にとっても生活し難いまちになってしまう」という、行政の危機感からスタート。そして、千代田区のような課題山積みのところで実現できれば、どこでもできるだろうという考えのもと、戦略では、皇居を核とした生き物のつながりの拡大を目指す。担当者である乙幡さんの熱い想いが伝わってきた。

第2部 パネルディスカッション

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● 道家(NACS−J)
生物多様性地域戦略の策定は目標・ゴールではなく、あくまでツール。同じ思いをもった人をどれだけ集め、ネットワーク化し、そして継続していけるか。うん、そのとおり。

● 中静 透(東北大)
「生態系サービス」は、生物多様性が意識化されていない人に伝えるための言。食品関係、酒関係は生物多様性を理解しやすいはず。もっと巻き込むべき。
Jリーグでは、70%のチームが生物をエンブレムのモチーフにしている。生物多様性の表現。  なるほど。
地域戦略で考えるべき生態系サービスとは、「里山の恵みの新しい考え方」、「固有の生き物をつかった地域おこし」、「固有の文化の継承と発展」、「こどもの発想力」。
生態系サービスを軸として実現していくべきことは、「暮らしや産業、地域文化と生物多様性の関係を明確にできること」、「いろいろな立場の人を巻き込めること」、「地域の全体的な将来像を具体的に考えるようになること」、そして、「生物多様性の主流化」。

●    長谷川雅美(東邦大学)
「環境自治」と「研究者の役割・しくみ」について。長谷川さんは、科学者として地域での主体的な意思決定を志向する市民を支援。これからの課題は、「環境を自治するための科学」を構築すること。

●    奥田直久(環境省生物多様性地球戦略企画室)
COP10で採択された愛知目標に沿った形で各国の国家戦略を見なおしていく。日本の国家戦略も見直し中。地域戦略については、15道県9市で策定済み、27都道府県他で策定中・検討中。
計画をつくることよりもプロセスが大事。どれだけ多くの組織、部局をまきこめるか。

●    藤田卓(自然保護協会)
地域戦略ガイドブックについての紹介。

<総合討論>
Q; 従来の自然保護と生物多様性戦略との違いは?
 A. 中静; 守る → 生態系サービス
 A. 長谷川; 保護すべき場は依然として残る。そうした議論がない場、あるいは終わった場で生物多様性をキーとした議論
 A. 奥田; 「保護 vs 開発」から、「持続可能な利用」への変化。様々な部局が生物多様性のために何ができるかを一緒に考えることが必要。応援できることは何か、参加できるものはなにか。
 A. 藤田; 関わる人の幅が広がる。それぞれが責任を持つ。
 A. IUCNの標語の変化にも、それが現れている。  Conserving biodiversity → Conserving and valuing biodiversity

Q; 生物多様性の普及啓発の方法・効果的な手法は? 無関心層、関心はあるけど行動してない、行動しているが考えてない。。
 A. 中静; 生物多様性を身近に感じない人たちの中にある、身近な生物多様性への気づきの喚起。気候温暖化等をやっている人たちの無理解。論理性を求めるこうした人たちへの説明が最も難しい。頭と心と身体のバランスが重要。
 A. 長谷川; リーダーの中にある関心を戦略に持ちながら、広めていく(保育園・幼稚園での里山活用について、先生に働きかけるお母さん)。
 A. 黒田; 相手の立場にたって言い方・表現を変える。「なぜわからないのか」と、相手のせいにしない。有名な人を使う。AKB、韓流スターなど。。
 A. 藤田; 自分との関係を示す。具体に考える材料。ママ(地域に根付いている人)が大事なのでは。
 A. 道家; 可視化の手法。

Q; TPPとの関係は?
 A. 奥田; 地域の特性を活かすことは重要。グローバリゼーションとは違った方向は必要。TPPとの関係は勉強中。

Q; 区域を乗り越えるには? 区域とは?
 A. 奥田; 行政が作る計画である以上、責任をとる対象として区域が必要。が、その区域内に限定する必要はない。

Q; 目の前のゴルフ場開発を止めるには?
 A. 長谷川; 市民向けの講座をやってきていたところに開発問題が勃発。その講座で学んだ方たちを核に、問題に立ち向かった。距離的に近いところで活動している人や経験豊かな人に相談する。

Q; 商用化することでオーバーユースに陥ることがあるのでは?
 A. 中静; 西粟倉では、林産物をマーケッティングして必要な生産を行っている。森林認証制度にのっかる。認証制度が付加価値につながればいいのだけれど。。 消費者とも一緒に考える必要がある。

Q; 保全・再生につながったことは少ないのでは? アクションをつくる主体は?
 A. 藤田; やろうと思った人が覚悟を決めるしかないのでは。。 また、そんな人を増やす。

Q; 計画・策定に県民参加、その後、アクション部分でも多くの県民参加が得られているのか?
 A. 長谷川; 堂本ismの浸透。県職員が必ずTMに出向いた。弟子をつくってばらまく。
 A. 佐野; 県民提案で戦略ができた。その後、県民会議はチェックしていこうとの動き。堂本知事から森田知事に交代、前知事の方針は引き継がない方針が見えていて、とても問題。

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2012年1月14日 (土)

第6回 千年の森セミナー

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上勝高丸山での森づくりの様子などを伝える、「千年の森セミナー」。徳島市のふれあい健康館にて開催。毎年、徳島市内で活動紹介を続けてきていて、今年は 6回目。指定管理者である「かみかつ里山倶楽部」の主催。

事務局長の飯山さんの進行により、澤田さんの挨拶、原田さんからガイダンス。

今日の千年の森セミナーのテーマは、「高丸山流! 森の楽しみ方ーボランティアによる森づくりから得られる恵み」。育てる、学ぶ、遊ぶ、食べる、木材を使うことについて、それぞれの活動をとおした事例報告。カーボンオフセットの紹介も。森の生態系サービスいろいろ。

飯山さんとの対談方式による、「徳島ハイキングクラブ」からの活動紹介。1978年に創立し、現在のメンバーは45名程度。月2回の定例ハイキング。雲早 山から高丸山までの縦走も。高丸山での森づくりに当初から関わってくれていて、毎年、7月に草刈りしてくれているとのこと。

続いて「徳島県森林インストラクター会」の紹介。子ども樹木博士、NHK文化講座森林ウォーキング、梁瀬"トガサワラ"観察ツアー、そして、千年の森での森づくり。

徳島大学での実習成果。千年の森セミナーでは、僕たちの学科の3年生がふれあい館を拠点にして毎年行なっている学生実習の成果も発表させてもらっていて、今日も学生の発表機会をもらっている。学生にとっては、お世話になった上勝町の方々にお返しをする機会。
1つは、高丸山自然林でのシカ食害調査。防鹿ネットの内外で植生の変化をモニタリング、そして糞粒調査によるシカの密度推定。最近、シカ個体数は減少傾向なようだが、ネットの内と外ではササの植被率に違いがある。シカに食われる外側で減少。
もう1つは「環境教育プログラム」の作成。地域内で使われなくなった竹材の活用をめざして、巣箱作成と、竹を使った料理開発。それをプログラム化するにあたってのリスクマネジメントとアイスブレイクの方法検討。

次は「鳴門教育大学ふれあいアクティビティ」の活動紹介。近森先生の助言のもと、3年生7人、2年生10人、1年生8人が毎週火曜日に活動について話し合 い。ふれあいを通して子どものことを経験的に知る、企画力をつけることが目標。合宿活動として千年の森ふれあい館を利用。

森本先生からの基調講演「森づくりから得られる恩恵〜山菜・薬草・多様な自然」。高校で生物を教えながら、徳島県の植生学と自然保護を牽引されてきた方。徳島での僕の師匠。宮脇先生の潜在自然植生による森づくりも徳島に広めてきている(僕としては改善すべきところがあると思うけど)。1994年から81ヶ所、363400本 を植えた。2010年にモニタリングの一環として、根茎の調査を行なった。ヤマモモの直根はまっすぐ下に伸びずに、横にのびていた。

「彩食品グループ」。月が谷温泉ができた時、地元のおみやげがなかったということがきっかけで、上勝町の特産品を作ろうということに。ゆずみそ、ゆずの皮 のつくだに、上勝の梅と鳴門わかめのつくだに、キャラブキ。最近はアイスにも挑戦。上勝の自然材料を使った伝統の知恵を活かす。
上勝の食材。ワラビ:お皿に一杯のせて春先の食卓に。最近はシカに先に食べられ、そのおこぼれを人が使う。サンキライ(サルトリイバラ):5月の節句の柏餅をつつむ。展葉前の若い葉は天ぷらに。ウド:山菜の王様。花も天ぷらに。キイチゴ(クマイチゴ?):学校への行き来の道にいっぱいあった。早いもの勝ちで食べた。木をちっちゃくきって煎じて食べると胃にきく。イタドリ:子ども の時は、ほんまに良く食べた。おいしかった。センブリ:お腹痛い時は必ず飲まされた。植林が多くなって生える場所がなくなった。
薬草学の村上先生と、インターネットをつないで、話を聞き、教えてもらいながらレシピ開発。(村上先生は、徳島大薬学部にいらっしゃった。転出してしまい残念)

「上勝なでしこ愛林会」の篠崎さん。材の特徴=かたい、ねばい、やりこい、ちびる(ない)、おこる。クリの"センコツ":かたい。クリは枯れて芯材になってから、何十年も使える。
ケヤキ:かたい。木目がきれい。粗く製材して何十年もおいておくとねじれて雑巾をしぼったような形になる(木をおこらす)。それから再度製材。ヤマザクラ:ケヤキよりもまだ堅い。敷居に使う。ちびない。製材した時は白っぽい赤み、使ってるうちに赤みが増す。ヒメシャラ:上勝にはいっぱいある。ねばい(割れない)。餅つきの杵。割り木にしようとしても絶対にわれないので、焚き木には向かない。ホオノキ:やわらかい。彫刻(お面)、まな板。篠崎さんと草刈りしながら、山の知恵を学ぼう。

最後は小串さんから、カーボンオフセットと森の経済。ただ炭素を取引するのではなく、森づくりにかかる「人と森の物語」が大事。炭素よりも、むしろその関係性こそに価値がつく。そして、徳島県特産のカーボンオフセット商品の開発。彩食品グループとも共同で?

千年の森セミナー、約50人が参加を得て終了。参加者それぞれから勉強になったとの感想。最後は、里山倶楽部の西さんからの挨拶。現場のリアリティのある話を聞けて、僕も楽しかった。皆さん、上勝へ、そしてふれあい館へ、高丸山へきてください。

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2011年12月 3日 (土)

徳島外来種シンポジウム 「生物多様性と外来種」

徳島外来種シンポジウム「生物多様性と外来種」,13時30分~16時30分,徳島大学工業会館にて.河口さんの企画.

参加者は31名と少なめではあったけれど,いつもとは少し違った顔ぶれの方々が集まってくれた.大阪からきてくださった方も.内容は充実していて,とてもおもしろかった.以下,今日のメモ.

<外来種について>
日本の外来種数は2193種,徳島県には18種の特定外来種と70種の要注意外来生物が侵入.詳細は徳島県のHP,「徳島県外来生物リスト」で確認できる.
外来種がもたらす問題は,「捕食」,「競合」,「交雑」,「感染」による在来生物への圧迫.そして,外来生物防除に係る課題は,1)防除主体が明確化されていない,2)一度拡がった外来生物の駆除は困難,ひとたび定着し拡大すると根絶には莫大な費用が必要,3)外来生物に関する情報が一元化されていない,4)市民の認識が不十分.

<アルゼンチンアリについて>
アルゼンチンアリについては,在来アリに対しては脅威となるが,他の生物群に対してはケースバイケース.都市的な乾燥した環境が必要で,里山地域への侵入はあまりおこっていないとのこと.新興住宅地でまとまった拡大が起こる場合があり,庭木や土について運ばれる可能性がある.不快害虫としての問題が大きく,廿日市などでは,住居にたくさんはいってきて対応に苦慮していて,ノイローゼになりそうとの声も.

<外来種問題の解決のために>
1)外来種問題の解決には,「早期発見と早期対応」あるのみ.そのためにも,多くの人が関心を持って監視することが必要.しかし,今のところ情報の受け入れ窓口,整理,発信の経路は全く整っておらず,情報共有するためのプラットフォームやデータベースを構築していくことが必要.
2)徳島県は,外来種の殺処分等のあり方も含め,対策のあり方に関してのガイドラインやマニュアルをつくる必要がある.

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第1回 徳島外来種シンポジウム 「生物多様性と外来種」

 本シンポジウムでは、第一部で徳島県における外来種の現状について、第2部では、世界および日本の侵略的外来種ワースト100にも指定されている特定外来生物「アルゼンチンアリ」に注目し、第一線の研究者から被害についてお話いただきます。
日時:2011年12月3日 13時30分~16時30分
会場:徳島大学工業会館(徳島市南常三島町2-1,工学部内)

第一部
1.趣旨説明(13:30-13:50)
 河口 洋一(徳島大学環境防災研究センター自然環境科学部門・准教授
2.講演(13:50-14:30)
  「徳島県における外来種の現状」
    片山 博之(徳島県自然環境課)
第二部
3.講演(14:45-15:35)
  「アルゼンチンアリの脅威」
    伊藤 文紀(香川大学農学部・教授(昆虫生態学))
4.総合討論(15:35-16:30) 外来種に関する質問タイムもあります
  進行:河口
  パネリスト:講演者2名(片山博之、伊藤文紀)
  徳島県立博物館から3名(佐藤陽一(脊椎動物担当)、山田量崇
  (無脊椎動物担当)・小川 誠(植物担当))

*会場でアルゼンチンアリの模型や標本、日本と世界各地のアリの標本、日本産アリの飼育コロニーを展示します。

主催・共催:徳島大学環境防災研究センター、徳島県自然環境課
後援:生物多様性とくしま会議、NPO法人徳島保全生物学研究会

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2011年11月23日 (水)

奥川自然再生協議会・勉強会

沖縄本島の最北端、奥集落での「奥川自然再生協議会・第2回勉強会」。事務局の宮良さんからの招きで、リュウキュウアユを指標にした自然再生を進めている協議会の方々に、「地域が支える自然再生」という題目で講演。

芸北、白保、千年の森の事例を使って、協働コーディネータの役割と、プロセスマネジメントや人のネットワークデザインについて。聞いてくださった地域のリーダーから、「やってきたことに間違いはなかった」との声。また、事務局を担当している地域の若手の方からは、「今まで聞いた話しの中でも一番役立った、モヤモヤしてたのが晴れてきて、これから何をすべきかわかった気がする」との言葉。泡盛をついでもらいながらの懇談会でも、細かなところを聞いてくれて、そして議論が進んでた。ほんとに嬉しかった。

僕たちが進めてきた協働の分析手法を社会技術として役立てられるかどうか、これからの奥集落での活動の展開で検証されることになるのかな。

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◆ もうすぐ講義、「生態系の保全」。土木の学生に生物多様性を守ることの意味を伝えることに重きをおいて、生態学の入口の部分も伝える。今日は絶滅危惧種について。それが終わったら、沖縄に移動。明日、奥川自然再生協議会の勉強会でお話しさせてもらう。 11月22日 12:39

◆那覇行きの飛行機に搭乗。神戸周辺が混んでて、すべりこみセーフ。 11月22日  20:09

◆ 那覇まで何も食べれないままに到着。ホテル近くの「ちゅらさん亭」に駆け込んで、オリオンビールと泡盛。。 一ヶ月ほど前に、鹿熊さん、家中さん、佐藤さんら、JSTの研究会で20人ほどで来たところだけれど、僕のことも覚えてくれていて感激。そして、いろいろとサービスしてくれました。おいしかったです、ありがとうございました! 明日は山原の奥集落に移動、そしてお話し。どんな人たちと出会えるかな。 11月23日  1:02

◆ 山原ですか。奥集落の帰りに時間があれば、名護市の太平洋側の開墾集落オーシッタイが秘境の集落と言った趣で面白いです。また、循環型の農業を実践し、その作物を提供するレストランのカナンスローファームカフェ&エコステイもその近くです。ここには、 都留文科大学の高田研さんのところの卒業生の神谷さんがいます。オーシッタイについては、古い記事ですが以下が参考になります。ステキな喫茶店は健在です。
http://heyaneko.web.fc2.com/dj11.html 11月23日 4:08

◆ 新井さん、お久しぶりです。情報、ありがとうございます。”大湿帯”って書くんですね。曰くありそうな名です。時間あれば回ってみたいと思います。 11月23日 8:32

◆ オーシッタイに寄ろうとしたのですが、通行止めで到達できず。オーシッタイ付近を源流とする源河川でも、リュキュウアユの再生が試みられてます。11月24日 12:14

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2011年11月20日 (日)

コウノトリと共生する地域づくり講座

18日、コウノトリの郷公園で開催されている「コウノトリと共生する地域づくり講座」に招かれて、「地域資源を活かす手法」とのタイトルで講演。基本的には農工大のフォーラムでお話ししたのと同じ内容ですが。。

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19日、菊地さんの案内で、戸島湿地と田結集落を訪問。戸島湿地では、講演を聞いてくれたNPOスタッフの森さんからの相談を受けて、湿地管理に係るネットワークづくりとマネジメントの方向性について、少しだけお話し。多彩な人が関わっているので、うまくマネジメントしていけば、いろんなことができそうに思う。

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田結集落は、コウノトリが訪れたことをきっかけに休耕田をビオトープ化してきた。2年ほど前にも見せていただいたが、その時からの大きな変化にびっくりした。谷津的な場にあった水田すべてがコウノトリが使えるよう、個々の水田の所有界も取り払われて。。 こんなことを地域の方々が決めて、実行してきているのに驚愕。

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そして、豊岡、駅前の商店街の“なごみ茶屋”で開催される「鶴見カフェ」に参加させてもらった。月1回のコウノトリにまつわる情報共有の場。3年目、今日は第38回。コウノトリの 郷公園、飼育員の吉沢さんによる「コウノトリの衣がえ」。羽の抜け替わり方についての話し。参加してる方々の、ディープな会話。飛びながら脚で顔をかくコ ウノトリ、背面落下するコウノトリ。そして、野生復帰の目標・ ゴールに関する熱い議論。コウノトリをとりまくディープ・コミュニティ。楽しかった。 http://t.co/LG1McCka

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◆ 豊岡に向けて、こうのとり3号、出発。古いタイプの列車だ。。 午後にコウノトリの郷公園で「コウノトリと共生する地域づくり講座」で、お話しさせでもらいます。 11月19日 9:22 (Selective Tweetsより)
◆ 出石そば、新蕎麦の香り。13皿いただいて、大満足。 http://t.co/88C95zuu
◆ 蟹の季節にはまだ早いでしょうか? 11月19日 14:02
◆ ふっふっふ、夜は蟹をいただきました。 11月20日 1:35

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2011年11月16日 (水)

対論「撤退と存続の農山村計画」

東京農工大の梶先生らが進めている「総合的な野生動物管理システム構築プロジェクト」の一環で開催されている公開フォーラム。今回、第17回「野生動物管理システムフォーラム」(15:30~18:10、東京農工大学農学部 2号館多目的教室)に招かれて、一ノ瀬さん(慶応大)との対論。

テーマ:「撤退と存続の農山村計画」
 鎌田磨人(徳島大学):農山村存続のためのソーシャル・キャピタル
 一ノ瀬友博(慶応大学):2050年から考える農山村の姿

僕からは、地域資源管理のための協働のしくみ、人のネットワークとプロセスマネジメントについて、ボトムアップ的視点からの話題提供。一ノ瀬さんからは、「撤退の農村計画」について、政策論的・トップダウン的な視点からグローバルな話題提供。星野さん(農工大)の進行による対論では、どのようなソーシャル・キャピタルを持つ地域が生き残っていけるか、そして地域での女性参画についてなど、多岐にわたる話題が出てきた。一ノ瀬さんが、うまくふってくれたのだけど、ちゃんと応えられず、若干、迷走したかも。

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◆ 徳島空港。これからカレー食べて東京に出発。15時30分から東京農工大でフォーラム。一ノ瀬さんとの対論。さっきまで準備してたけど、どんな展開になるか。少し緊張気味。だけど楽しみ。 11月16日 11:16 (Selective Tweetsより)

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2011年10月23日 (日)

経済地理学会徳島地域大会

徳島大学で開催された経済地理学会のシンポジウム「地域への関わりの新たな戦略と課題」に招かれ、「協働による公的施策の構築と実践ー市民、行政、大学の役割」とのタイトルで、生物多様性とくしま戦略策定の歩みについて講演。

少し居心地が悪かったけれど、この機会に今までの動きをまとめることができたし、また、発表内容については理解していただけ、興味も持っていただけたようで良しとしよう。笠松氏(上勝町長)のお話しや、田口先生の協働による中越地震後の震災復興計画策定に関するお話はわかりやすく、楽しかった。広島大学の学生時代からの友人、荒木氏にも20年ぶりくらいに会うことができた。

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2011年度 経済地理学会徳島地域大会

1.大会テーマ:地域への関わりの新たな戦略と課題ー死せるものから活かせるものへの産業、組織、担い手の構築のためにー

2.大会の趣旨
 近年わが国は、科学や技術、また組織やシステムおいても先進性や輝きを失い、閉塞状況に陥っている。それなりの経済や文化、生活やライフスタイルを確立し充実した暮らしを営めるが、地方都市に典型的にみられるよう、確固たる産業や文化を見い出せず、衰退・高齢化する地方同様、成長や発展を享受できない。次の時代への展望、そのためにも環境にも配慮し若者も高齢者も生きられる人材や地域づくりが求められる。
 経済地理学会も、高齢化をはじめとし組織や構成員そのものが構造的課題を抱えており、次の時代の担い手たる若い世代が魅力を感じる研究分野への変革、また他分野を越える輝きや貢献が望まれる。そのためには、現状把握から、方法論や体系化、応用や政策へという長年の課題に、また環境の時代に果たすべき課題や成果において評価される、時代に対応した担い手や人材、組織や体制への再編成等、新たな仕掛けや試みによる次なる展開が必要である。本大会では、産業、組織、担い手の課題を地域研究として捉え、地方から経済地理学会に投げかける形として、期待される地域との関わり、地域研究や地域科学としての新たな方向性を見出し、社会の要請や学問的課題への成果としてつながることを期待する。

3.日程:
  10月23日(日)徳島大学工学部共通教育棟(K棟3階)
  13:00~17:10 基調講演および報告
      (徳島大学地域創生センター、徳島地理学会と共催)

4.講演・研究発表 テーマ:地域への関わりの新たな戦略と課題
Ⅰ基調講演
・笠松和市(徳島県上勝町長):「上勝町の持続可能な地域社会づくり『地職住の推進』」

Ⅱ個別報告
・田口太郎(徳島大):「市民による主体的な復興ビジョンの策定と近隣専門家の支援」
・フンク・カロリン(広島大):「持続可能な観光地の発展条件−ドイツと日本の事例から−」
・栗島英明(芝浦工業大):「地方自治体による生ごみリサイクル事業と地域への効果」
・鎌田磨人(徳島大):「協働による公的施策の構築と実践ー市民、行政、大学の役割」
・高木義夫(藍住町商工会):「地域住民を主体とした過疎の地域おこし」
・新開善二(NPO徳島共生塾一歩の会理事長):「地域の連携、協働を担うNPOの役割について−八十八ヶ所遍路道7年間の美化活動から見えてきたこと」

Ⅲ提言・コメント(地域研究、地域との関わりへの経済地理学からのコメント・評価)
 川端基夫(関西学院大)、梶田 真(東京大)、作野広和(島根大)

Ⅳ会場からの提言・コメント
 コーディネータ:北村修二(徳島大)、田中耕市(徳島大)、豊田哲也(徳島大)

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